DocAve を利用した NEC、Microsoft SharePoint の使用量を分析し、グローバル規模の 1,300 ユーザーに向けてデータを完全忠実に再構築

クリティカル ニーズ

  • 利用・活用状況の見える化
  • コンテンツの移行の簡素化

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  • 日本電気株式会社
  • 顧客ロケーション Japan
  • 業界 テクノロジー
  • プラットフォーム SharePoint 2010
  • AvePoint ソリューションDocAve

ハイライト

Windows Server 2008 R2
SQL Server 2008 R2
SharePoint Server 2010 SP1

八田光啓 氏 日本電気株式会社 海外事業企画本部

Customer Interview

【SharePoint を導入した経緯】

-御社の海外事業企画本部傘下のグローバルソーシャルネットワーク推進事務局が、SharePoint を基盤にした社内ソーシャルネットワークサービスを運用されているそうですね。事務局の概要と、SharePoint の選定理由を教えて頂けますか?


<海外事業企画本部 マネージャー 八田氏>
現在、NEC が注力しているのは海外事業拡大なのですが、その為には日本の本社と海外現地法人との情報流通をより一層促進させる必要があるという認識がありました。

そこで一昨年、海外現地法人とのコミュニケーション & コラボレーションを促進する情報基盤として、社内ソーシャルネットワークを導入するよう社長指示があり、それを実現する為に、部門横断の全社タスクフォース「グローバル ソーシャルネットワーク タスクフォース」が立ち上げられました。実際の基盤選定、サービス設計などはタスクフォースで実施しました。

尚、タスクフォースは時限組織であった為、会社内の固定組織として業務を引き継いだのが、グローバル ソーシャルネットワーク推進事務局になります。

<海外事業企画本部 主任 後藤氏>
日本の本社と海外現地法人間で、もっとも多いのはファイルの受け渡しです。

SharePoint2010 を選定した理由は、ファイルから人に繋がる使い方ができる点と、海外現地法人の方々に認知されているグローバルスタンダード製品だったからです。

もう一つは、導入検討時に、ソーシャル機能を強化した、SharePoint の新バージョンが数年後にリリースされる予定と Microsoft 製品担当者の方から聞いたこともあり、段階的にエンタープライズソーシャルを導入していくという我々の構想と一致しましたので、SharePoint2010 の導入を決めました。

-実際にどのように SharePoint2010 を活用されているのですか?


<八田氏>
我々の部署が運用しているのは「nbook」と呼んでいる SharePoint を基盤とする社内サービスです。

目的は、日本側と海外現地法人との間で、キーマン同士が情報流通を密にして、海外事業に関わる者すべてがボーダレスにコミュニケーション & コラボレーションできる環境を実現し、海外事業の拡大につなげていくことです。ですから、利用者は海外事業に携わる日本側社員および海外現地法人の社員となっています。

2013 年 8 月現在、30 ヶ国 37 社の約 1,300 名のユーザーが利用しています。事業ごとにクローズドのコミュニティを作り、関係者のみをアサインして、各種ファイルのやり取りや製品仕様書などの共同編集から使ってもらっています。

当社の場合、エンタープライズソーシャルの活用をステップ分けしており、関係者の交流を活性化させ、イノベーション創出や新製品のアイディアなどに役立てるためには、まず、製品仕様書など今ある形式知をグローバルで共有するところから使い始めるのがよいと考えました。

ファイルをベースとして、国を超えてコメントなどのやり取りが発生する中で、人間関係が構築され、次のステップに移っていければと考えています。

<後藤氏>
導入検討当初から SharePoint2013 の導入を見据え、その前段階としてSharePoint2010 を先行導入しました。

導入から 1 年以上が経ち、ユーザーが場所・時間を超えたコミュニケーション&コラボレーションに慣れてきたことや、徐々に関係者の人脈図が出来上がりつつあるなど、一定の成果が見え始めています。SharePoint2013 では、ニュースフィードや「いいね!」、フォローといったソーシャル機能が搭載されているのですが、SharePoint2013 導入後、日本の本社と海外現地法人間のコミュニケーション&コラボレーションがこれらの機能追加により一層加速することを期待しています。

-それでは、それぞれの課題について順番に、具体的に教えてください。まずは「利用・活用状況の見える化」について教えてください。


<八田氏>
nbook には、現在事業ごとに 21 のコミュニティ (サイトコレクション) があり、それぞれにコミュニティ運営者がアサインされています。

実際に、国を超えた情報共有がなされているのか? 活用状況を知りたい! という各コミュニティ運営者のニーズがあり、私が、各コミュニティの利用動向データを収集・分析して提供しています。

また、nbook 全体の利用動向データの収集・分析も実施しています。

しかし、SharePoint の標準機能で提供される監査ログではユーザーの細かな動きが把握できず、またサイトコレクションごとに、個別に監査ログが出力される仕様であり、それらを収集する手間が大きく、非常に大変でした。

-DocAve を選んだ理由を教えてください。


<後藤氏>
当初は、分析システムを独自に開発するつもりでしたが、開発依頼先から、AvePoint の DocAve が我々の希望する要件を満たしてるのではないか?と紹介されました。

実際に同社からレポートポイントを紹介いただいて、監査ログの自動収集が実現できることに加え、IIS からの情報が監査ログにマージされることにより、今までよりユーザー動向が把握しやすくなる点を評価して導入を決めました。

当社では、サービス全体の動向分析を実施する場合には、レポートポイントで集めたログデータを、Microsoft Officeのパワーピボット機能を使って分析しています。

-DocAveには具体的に何を期待しますか?


<八田氏>
レポートポイント導入によって、サイトコレクションごとに出力される監査ログを集める作業を自動化できました。大変助かっています。

現在は監査ログデータを一括で収集するところでレポートポイントを活用していますが、その先の見せ方、例えばファイルごとの国別アクセス数などを簡単に可視化できる機能や、ソーシャルグラフ・インタレストグラフを作成・表示できる機能が追加されれば、もっと便利かつ有用になると思います。

-次に、「コンテンツの移行の簡素化」についてはいかがでしょうか?具体的に教えてください。


<八田氏>
海外事業ごとに、特定メンバーで構成されるコミュニティを作っているため、事業推進状況の変化などで後になって、サイトコレクションを統合・分離させたいという要望があります。

しかし、SharePoint の標準機能では権限情報を維持したままフォルダ単位で移動させるなどの作業が難しく、ユーザーからのニーズに対応しきれてないという課題がありました。

-DocAve を選んだ理由を教えてください。


<後藤氏>
コンテンツマネージャーのトライアル版を試す機会があり、その際に、コンテンツマネージャーを使って、運営しているサイトのサブサイト2つのうち、1つを切り出す作業を実施してみました。

結果、標準機能では実現できない権限情報を保持したままフォルダ単位で一括移動できた点、またタイムスタンプや最終更新者情報を維持したまま移行できた点を評価して、導入を決めました。

SharePoint2013の導入後は、ソーシャル機能追加による、一層の利用促進が実現することで、コミュニティの分離・統合のニーズが一層増えると見込んでいます。こうした状況に対応するためにもコンテンツマネージャーを導入しました。

-DocAveには具体的に何を期待しますか?


<八田氏>
コミュニティの増加に対して、われわれ、基盤管理者側のオペレーションコストが変わらない点は大変大きい効果です。

そういう意味で、コンテンツマネージャーはエンター プライズ ソーシャル運営のサポートツールとして非常に有用な製品だと思います。

企業が、エンター プライズ ソーシャルに期待することの一つとして、「現状の枠を超えたこのメンバーでイノベーションを起こしたい、そのためにコミュニケーション & コラボレーションを始めたい」ということがあります。そのためには迅速にチームの活動ツールを提供できることがコラボレーション基盤には求められます。

この点、コンテンツマネージャーを使えば、権限を保持したままでのコンテンツ移動を容易に行うことができますので、利用者は、気軽にコミュニティを立ち上げ、統合、分離することができます。

運営者側にとって、少ない工数でそれを支援ができることはコミュニケーション & コラボレーションの推進上、大変重要な利点です。

その他今後利用を予定している機能(製品)


<後藤氏>
権限管理や情報セキュリティ管理を確実にするというところで、管理センターに関心があります。

SharePoint2013 導入後は、サイト数が増え、情報のやり取りも複雑になると想定しております。そもそも、nbook はクローズド コミュニティの集合体ですので、情報セキュリティについては非常にシビアに対応しなくてはいけません。権限の棚卸や一括変更といった機能は今後、必須になってくると思います。

SharePoint の標準機能では実現できない部分を補完するという意味では、一番実績がある AvePoint 製品を今後、必要に応じて検討していきたいと考えています。

顧客紹介 日本電気株式会社

-最後に、今後の展望についてお聞かせ頂けますか?

<八田氏>
海外事業を伸ばしていくには、既存製品・サービスと別のものを組み合わせて、まったく新しいものを生み出していくことが不可欠と考えています。
こういったイノベーションを起こせるのは組織ではなく、あくまで個人です。そのためには個人が複数コミュニティに所属することが当然必要になってくるわけです。
今後導入を予定している Share-Point2013 では、所属する複数コミュニティの情報を、タイムライン上に集約して表示できるので、個人にとって情報の取り扱いが簡易になります。
nbook のユーザーが自身の関係する情報を漏れなく追うことができるようになり、さらにその先の段階では、エンター プライズ ソーシャル基盤利用のアウトプットとなる、ソーシャル グラフやインタレスト グラフを活用して、ユーザーが新しい情報やキーマンを発見して、海外事業の展開につなげていける状況を創り出していきたいです。
そのような基盤運営を進めていくためにも、今後のDocAveにはソーシャル グラフやインタレスト グラフ分析機能の搭載などを、大変期待しています。

日本電気株式会社