eRoom から SharePoint への移行を DocAve で自動化

クリティカル ニーズ

  • eRoom から SharePoint への移行
  • プラットフォームバックアップ&リストア
  • コンテンツライフサイクル管理

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  • セイコーエプソン株式会社
  • 顧客ロケーション Japan
  • 業界 製造
  • プラットフォーム Windows Server 2012
  • AvePoint ソリューション

    バックアップ & リカバリー

    DocAve
お話を伺った方: グループリーダー 只野 明 氏 (セイコーエプソン株式会社 事業基盤強化本部 情報化推進部 グループリーダー)

挑戦

SharePoint を導入した経緯


- Notes / Domino、eRoom、Public Folder、ファイルサーバー等多くのツールをご利用中のセイコーエプソン株式会社様 (以下、セイコーエプソン様) が文書管理機能として Microsoft Office SharePoint Server 2007 (以下MOSS) の導入を決定された理由を具体的に教えて頂けますか?


<セイコーエプソン株式会社 事業基盤強化本部 情報化推進部 グループリーダー 只野 明氏>

MOSS の導入を決定したのは、そもそも大きな背景が 2 つありました。

まず 1 つ目はセキュリティ活動です。全社で実施しており、物理セキュリティから試作品の管理、最終的には電子情報セキュリティ管理も含めセキュア且つ効率的、安全・安心で皆が仕事を出来る環境を作っていく、という活動です。

その活動の中で、電子情報のセキュリティ部分を見直したところ Notes / Domino、eRoom、Public Folder、そしてファイルサーバーなどが混在していた為に、ツール毎にセキュリティが管理されており一元化もなかなかできず、各々のツールの特性に依存したセキュリティ管理が強いられていることが分かりました。対象データの量も非常に多かったので、その莫大な情報をいかに効率的に保護するか、というのが課題となりました。


2 つ目は、コストです。複数のツールがあると各々のツールに対しライセンスや管理コストがかかります。弊社ではプリンターやプロジェクターなどの設計・製造・販売過程で、その設定内容、製造指示内容や販売情報を、ワールドワイドで約 3 万人のユーザーと共有する必要があります。

しかし、上記のような多くのツールが存在しているのですが、どのツールも文書管理としての機能を満たしながら、3 万人分のライセンスを保有しているものはありませんでした。

そこで、電子情報のセキュリティ管理レベルを上げながら、同時にコストを下げるためには、既存ツールのライセンスを追加購入したり、機能追加してそこへ集約して行くのか、新たなるツールを導入して、そこへ集約して行くのか、の選択に迫られていました。調査の結果、既存ツールにはどれも、契約上や機能上の制約があり、後者の方式を採用することになりました。


文書管理機能の部分の将来的な統合の為に MOSS 以外にも ECM 製品は色々と検討したのですが、最終的に MOSS の導入を決定した理由は 3 つ挙げられます。

まず 1 つ目は MOSS はノンコーディングで活用できる、ということです。我々のミッションは全事業のプラットフォームを作ることですので、新しいツールを導入するには最終的に事業部のユーザーの理解を得る必要があります。プリンター事業や、プロジェクター事業、ビジネス プリンター事業、半導体事業、光学事業等様々な事業がありますが、どこも「セキュリティを保護したい」「業務を効率的にしたい」「ファイルサーバーや他のツールが散在して困った」という課題は同じです。

そこで、MOSS であれば設定レベルでカスタマイズが出来る為事業部など現場のユーザーでも使いこなせる、ということで理解を得やすかったというのが利点でした。

次に、日本国内のシェアが高いのも魅力の一つでした。利用企業が少ないと、パッチが出るのもノウハウが溜まるのも遅いので、MOSS は多くの企業に採用されている、ということで信頼がありました。

最後に、技術的なバックボーンの強さが挙げられます。いくつか検討した ECM 製品の提案の中で Microsoft の営業担当者の方の提案が 1 番技術的なバックボーンがあった、ということが採用する決め手となりました。

AvePoint のソリューション

導入時に困った、技術的な3つの課題


- では MOSSの導入に向け、何故 DocAve をご採用頂けたのでしょうか?


はじめに採用を決めた DocAve 製品は eRoom から SharePoint への移行ツールでしたが、その為だけに DocAve を採用したわけではありませんでした。

AvePoint 営業担当の方からの製品紹介を受け、それまで全社ポータルとして MOSS を利用してきた中で実感していた運用課題も纏めて解決できること分かり、最終的には全製品を包括で購入しました。

またバックアップ・リストアからコンテンツライフサイクル管理、利用状況の見える化の為の機能が、纏めて 1 つのツールで解決出来ることも魅力でした。

その中でも eRoom から SharePoint への移行に加え、バックアップ・リストアとコンテンツライフサイクル管理の機能は既に利用しています。

  • 課題1. 「eRoom から SharePoint への移行」
  • 課題2. 「プラットフォームバックアップ&リストア」
  • 課題3. 「コンテンツライフサイクル管理」
  • その他の機能


課題1 「eRoom から SharePoint への移行」


- それでは、それぞれの課題について順番に、具体的に教えてください。まずは「eRoom から SharePoint への移行」について具体的に教えてください。


今回の移行対象は約 300GB のデータです。

移行のタイミングで、現場のユーザーでも「元々整理したいと思っていたので、これを機会に整理したい」というユーザーが多いのが現実で、最終的には 1 割 2 割を削除することになります。

しかし、これら削除予定のデータも eRoom のまま削除してしまうと、データがバックアップとして保管されていたとしても万が一必要になった場合に eRoom が無いと使えませんので、まずは MOSS に移してからアーカイブする、という事にしています。

しかし、このデータすべてを 1 つ 1 つ手動で移動するのは非現実的だった為、プロセスを自動化できるツールが必要となりました。

- DocAve を選んだ理由を教えてください。


eRoom 移行の機能は SharePoint の標準でも準備されていませんでしたので、サードベンダーツールを探したことが、DocAve を知るきっかけとなりました。

DocAve eRoom 移行 for SharePoint はプロセスの自動化以外にも権限を維持したまま移行できるので効率的であると考えました。手動でやろうとすれば大変な作業です。

また、弊社が採用を検討している時点で、日本国内で既に約 1TB の eRoom 移行の実績があり、AvePoint 社にノウハウがたまっていたのも、DocAve 採用の決め手となりました。

DocAve eRoom 移行

コンテンツやアクセス権などを
忠実に SharePoint へ移行。
環境に合わせて移行のマッピングを作成できる。


課題2 「プラットフォームバックアップ&リストア」


- 次に、「プラットフォーム バックアップ & リストア」については、いかがでしょうか? 具体的に教えてください。


先にお話しした様に、MOSS ではプリンターの設計文書など機密性の高い文書を保管しています。

プリンターを 1 製品製造していく過程でも、企画構想・設計から、メーカー設計、デザイン設計、機械の電子設計、ファーム、ソフトまで、かなりの点数の文書があります。

MOSS のサイトではそれらの中でも上流工程と呼ばれる企画構想段階の文書が扱われている為、バックアップが必須となりました。

- DocAve を選んだ理由を教えてください。


このサイトには Nintex ワークフローが含まれています。

サイトをバックアップする為の製品の中で Nintex ワークフローを含め纏めてバックアップを取得できるのは DocAve バックアップ & リカバリー for SharePoint のみでしたので利用を決定しました。

- DocAve には具体的に何を期待しますか?


H / W 障害対策としてのプラットフォーム バックアップとリストアに期待しています。Nintex ワークフローの含まれるサイトは非常に重要なサイトですので、DocAve は必要不可欠なツールと言えます。

DocAve バックアップ&リカバリー

ツリー上のデータ構造からバックアップ・リストア対象を
アイテム単位で選択し、即座にリストアが可能。


課題3 「コンテンツライフサイクル管理」


- 次に、「コンテンツライフサイクル管理」については、いかがでしょうか? 具体的に教えてください。


プリンターの設計文書に関してはプリンターの EOF が切れるまでは絶対に維持していく必要がありますが、一方で、事務的な一般文書に関しては厳密なライフサイクルが細かく定義されているわけではありませんので、それらの種々雑多な文書のライフサイクル管理として年度切り替えでサイト毎に自動破棄することが決定しました。

- DocAve を選んだ理由を教えてください。


DocAve アーカイバ for SharePoint であれば年度毎、サイト単位といった弊社のニーズに則ったアーカイブルールを設定できるという事でしたので利用を決定しました。

- DocAve には具体的に何を期待しますか?


製品情報以外の一般サイトは必ず年度サイトを作って年度が変わるタイミングでリネームし、5 事業年度以降は強制的にアーカイブして削除することを決定し、まずは今年 4 月に初めての年度切り替えのタイミングでアーカイブを実施しました。

今後も、こういった中間情報に関しては年度毎に管理することで古い文書を徐々に削除して、最新の文書のみを管理していこうと考えています。

DocAve アーカイバ

カスタムメタデータを含むあらゆるメタデータ情報を
基にアーカイブルールを設定可能。


その他の機能


- DocAve には具体的に何を期待しますか?


製品情報以外の一般サイトは必ず年度サイトを作って年度が変わるタイミングでリネームし、5 事業年度以降は強制的にアーカイブして削除することを決定し、まずは今年 4 月に初めての年度切り替えのタイミングでアーカイブを実施しました。

今後も、こういった中間情報に関しては年度毎に管理することで古い文章を徐々に削除して、最新の文書のみを管理していこうと考えています。

- 今回は包括パッケージをご購入頂きましたがその理由と他に使いたいと考えている機能を教えてください。


まず、これだけ「痒いところに手が届く機能」がある、というのは凄いと思います。

SharePoint は、API が公開されているので頑張れば自力でもカスタマイズすることは可能ですが、やはりコストパフォーマンスを考えると現実的ではありません。

今回移行がトリガーではありましたが、尚且つこれまで MOSS を全社ポータルとして運用してきた中で実感していた課題を纏めて、たった 1 度のインストールで利用できるというのが魅力でした。

その他今後利用を予定している機能(製品)


- その他、今後利用を予定している機能(製品)があれば教えてください。

  • 情報漏洩の予防と対策(監査マネージャー、管理センター、レポートポイント)

    まさに、セキュリティの観点でスタートしていますので、誰が何のコンテンツにアクセスしたのか、証跡 (不正なアクセスがないという証拠) として示すことが求められていました。

    MOSS 標準にもシステム管理者向けの監査機能が用意されていますが、せっかくのアクセスログを一般ユーザーもそのまま使用できるようにしたいと考えました。

    そこで、MOSS 標準の監査機能をベースに、レポートの表現力や使い勝手をシームレスに強化できる監査マネージャー、管理センターを使用しています。

  • 移行の要らないファイルサーバーの取り込み (ファイルサーバーコネクタ)

    現在検証中ですが、魅力的な機能だと思います。

    ファイルサーバーには何百万ものファイルがありますので、それらをすべて MOSS へ移行するのは、今すぐには不可能です。

    移行をせずにファイルの実体をファイルサーバーに置いたままでハイブリッドな使い方ができるのは、とても便利だと思います。

  • 人事異動&組織変更対応 (管理センター、コンテンツマネージャー)

    3 ヶ月に 1 度ぐらいは、何かしらの組織変更があります。

    組織変更があると、サイトなどの権限の棚卸しや張替え、業務移管や組織の統廃合に合わせたサイト間のコンテンツ移動が発生します。

    その作業はかなりの量になりますので、管理センター、コンテンツマネージャーが提供する権限の棚卸しや一括変更、コンテンツの縦横無尽の移動を機械化・省力化する機能は、MOSS を運用して行くうえで必須の機能です。


セイコーエプソン株式会社が DocAve サポートを通じて感じたこと


- 実際に DocAve ソフトウェアの運用をしてみてどうでしたか?


AvePoint サポートチームのレスポンスは非常に良かったです。

弊社担当が様々な製品を評価していたのですが、問い合わせをして不具合ではないかと指摘したその日のうちに修正パッチが出てきた時には驚かされました。素晴らしい対応でした。

最終結果

今後の展望


- 最後に、今後の展望についてお聞かせ頂けますか?


モノづくりの会社ですので、現場ユーザーの方が高度で複雑なツールを使いこなすことに時間を取られるのではなく、本来の業務達成を促進するような便利で安心・安全な文書管理サービスを提供する必要があります。

その為にも、DocAve のバックアップ・リストア、アーカイバ以外の部分の機能についても幅広く活用していきたいと考えていますし、非常に期待しています。