株式会社ソフトクリエイト 様
- 対象のサービス
- Microsoft 365
株式会社ソフトクリエイトは、システムインテグレータとして、IT基盤のコンサルティングから設計・構築、保守・運用までを幅広く手掛けています。同社を中核とするソフトクリエイトグループでは約2,000名がMicrosoft 365を利用し、TeamsやSharePointを日々の情報共有基盤として活用しています。近年、生成AIの利用拡大やファイルサーバーからのデータ移行に伴い、SharePointのデータ量が年間約6~10TBのペースで増加しており、追加ストレージの購入を繰り返さざるを得なくなっていました。同社はこうした運用から脱却するため、AvePoint Opusを導入しました。
この事例のポイント
- Microsoft 365と生成AIの活用拡大により、SharePointデータが年間約6~10TBのペースで増加。使用量は27TB、残容量は355GBまで逼迫
- シミュレーションと限定検証を経て、最終更新から2年以上経過したファイルや大容量動画をAvePoint Opusで自動アーカイブ
- 約11TBをアーカイブし、SharePointのデータ量を約27TBから約16TBへ約40%削減。容量確保にかかる年間コストを約180万円から約60万円へ抑制
- 利用者向け説明会は不要で、導入直後の問い合わせは2~3件。情シスによる削除依頼や緊急対応はほぼ不要に
Microsoft 365と生成AIの活用拡大で、データが年間約6~10TB増加
ソフトクリエイトグループでは、Microsoft TeamsやSharePointを社内ポータル、部門・プロジェクトの情報共有、文書・動画の保管などに広く活用しています。グループ各社で業務や扱うデータが異なるため、各社・各部門が用途に応じて柔軟に運用できる方針を採ってきました。
そうした中、近年ではファイルサーバーからSharePointへの移行が進み、Teamsの利用も拡大。さらに2024年から2025年にかけてCopilotをはじめとする生成AIを本格的に社内展開したことで、会議の要約や録画動画がSharePoint上に大量に蓄積されるようになり、データ容量は年間約6~10TBのペースで急増していきました。
クラウドソリューション統括部 上席技師 佐藤 吉人 氏 は「現場には容量を気にせず、Microsoft 365を自由にどんどん活用してもらう方針でした。しかし、長年SharePointを利用してきましたが、近年のデータ量の急増は過去にない水準で、生成AIをヘビーに活用し始めた2024年から2025年にかけてはその傾向が特に顕著でした」と振り返ります。
削除を依頼しても、誰も『消してよい』と判断できない
容量の逼迫を受け、グループ全体の情報システムを統括するソフトクリエイトホールディングスの情報システム室は、数カ月に一度、約2,000名のグループ社員にTeamsで整理・削除を呼びかけていました。しかし、全体への案内だけでは作業が進まず、容量の大きいサイトを特定し、各管理者へ個別チャットやメールで対応を促す必要がありました。時にはオフィスを直接回って対応を依頼することもあり、一連の調整に約1週間を要するケースもありました。
情報システム室は各サイトの個別管理権限を原則として持たないため、データの整理・削除を代行できません。
しかし、作業を委ねられた現場にとっても、退職者や過去のプロジェクト資料は要不要の判断が難しく、誤削除のリスクから手作業での対応には限界がありました。
結果として、情報システム室による催促と現場の地道な仕分け作業という、双方の業務を圧迫する負担が積み重なっていました。
2025年5月にはSharePointの使用量が26.31TBに達し、残容量は355.09GBまで減少。すでに5TBの追加ストレージを購入していたものの、一時は残容量がほぼゼロになるほど逼迫する状況でした。経営層からの『使わないものは削除すべき』という指示もあり、容量の追加購入を繰り返す対症療法ではなく、データの増加そのものを継続的に管理できる仕組みを検討することになりました。
執行役員 クラウドソリューション統括部 統括部長 花原 啓太 氏は
「年間6TB以上のペースで増え続ければ、追加ストレージ費用は膨らむ一方です。現場の活用を止めずに根本解決するには、システムによる自動化が不可欠でした」と語ります。
現場の使い勝手を変えず、細かな条件でアーカイブできるOpusを選定
同社は2025年1月頃から、SharePointのデータ量を削減するためにアーカイブの導入を検討し始めました。その際、追加ストレージの継続購入や利用部門への削除依頼の徹底といった既存の対処方法や、Microsoft純正のSharePointアーカイブ機能、オンプレミスのNASなど、さまざまな手法と比較を行いました。
同社の検証では、当時のMicrosoft純正機能は条件設定の柔軟性の面で、同社の要件を満たすことができませんでした。また、アーカイブされたデータを現場の利用者自身で復旧できない点も、同社の要件には合いませんでした。オンプレミスのストレージについても、設置場所や今後のデータ増加への対応力に課題がありました。
そこで採用したのがAvePoint Opusです。最終更新日やサイト、文書種別などの条件で対象を設定し、古いデータをAzure Blob Storageへ自動アーカイブできます。元の場所にはスタブファイルが残り、必要になった利用者はURLをクリックして自ら復元できます。保存場所や日常の操作を大きく変えずに容量を最適化できる点が、選定の決め手となりました。
本番適用前に、最終更新から1~5年以上など複数の条件で対象容量やファイルをシミュレーションできる点も評価しました。効果と影響を確認し、対象サイトや除外条件を調整してから段階的に導入できるため、誤って重要なデータをアーカイブするリスクを抑えられます。さらに、同社はすでにAvePointのバックアップ製品を導入し、安定運用を実現していたため、次のステップとなるデータ容量の削減でも、AvePointへの信頼感がOpusの採用を後押ししました。
情報システム室 室長 西脇 達也 氏はOpusの導入決定利用について次のように語ります。
「利用者が自分でデータを元に戻せるため、情シス3名の運用負荷を増やさずに導入できました。事前に影響範囲を細かくシミュレーションし、安全性を確信してから段階的に進められたことも大きな安心材料でした」
シミュレーションと検証を重ね、業務への影響を抑えて全社展開
2025年4月にAvePointから具体的な提案を受け、5月に初期設定とシミュレーション、6月に限定した範囲でのアーカイブと復元テストを実施。7月に本番導入し、その後、同社は対象範囲を順次拡大しています。現在は、最終更新から2年以上経過したファイルや大容量の動画ファイルを中心に、容量の大きいチームサイト、グループサイト、プライベートチャネルを選定してアーカイブしています。
導入時は、利用者への説明会を実施せず、対象となるデータや復元方法などをアナウンスするだけで運用を開始しました。それでも導入直後の問い合わせは2~3件程度でした。その内容も、業務で使う特定のフォルダをアーカイブから除外してほしいといった個別の調整依頼にとどまり、現場に混乱が生じることはありませんでした。
一方、検証の過程では、古いファイルを起点に動く社内システムが、データのアーカイブに伴い一時停止する事象が発生しました。しかし、対象ファイルをすぐに復元し、該当するサイト・フォルダを除外設定に加えることで、業務に影響を与えることなく速やかに解決。この経験は、対象範囲を小さく区切って検証しながら段階的にポリシーを最適化していくプロセスの重要性を再認識する機会となりました。
同社は導入に先立ち、提供された検証ライセンスを活用し、実際の操作性や運用のイメージについてAvePointの技術担当者と綿密にすり合わせながら準備を進めました。初期のスキャン処理には相応の時間を要したものの、約27TBに及ぶデータ量と膨大なファイル数を考慮すれば十分に想定内であり、前倒しで作業を進めたことで、計画期間内に滞りなく完了しました。
約11TBをアーカイブし、データ量を約40%削減。年間コストは3分の1へ
Opusの導入により、同社は約11TBのデータをアーカイブしました。SharePointの使用容量は導入前の約27TBから約16TBへ減少し、約40%の削減を実現しています。さらに、5TBの追加ストレージなど必要な容量の確保にかかっていた年間コストは、約180万円から約60万円へと3分の1に抑えられました。
| 導入前 | 導入後 | |
| SharePoint容量 | 約27TB(26.31TB) | 約16TB/約40%削減 |
| 年間コスト | 約180万円 | 約60万円/約3分の1 |
| 情シスの対応 | 全社通知、個別連絡、削除依頼、緊急対応 | ルーティン業務・緊急対応がほぼ不要 |
運用面でも大きな効果が表れています。
前述のとおり、導入前は容量が逼迫するたびに全社へ通知するとともに対象部門へ個別に連絡し、一連の調整に約1週間を費やすこともありました。Opus導入後は、設定した条件に基づいてアーカイブが自動で行われるため、こうした定期的な削除要請や緊急対応はほぼ不要になりました。導入から約1年が経過した現在、利用者からの問い合わせもほとんどなく、日常的な運用業務は発生していません。
「以前は『お願いベース』で整理を呼びかけていましたが、2,000名の社員がそれぞれ消してもいいファイルを探すだけでも、全社で膨大な工数損失になっていました。Opus導入後は、そうした仕分け作業も、返信を待つストレスや説明の手間もなくなり、現場と情シスの双方が本体の業務に集中できるようになりました」(西脇氏)
Customer Zeroの実践知を顧客へ還元し、Copilot時代の情報基盤へ
AvePointの販売パートナーでもあるソフトクリエイトは、自社を最初の顧客として新しい技術を実際に使い、その価値と課題を確かめる『Customer Zero』を重視しています。今回も、自社の約27TBのSharePoint環境へOpusを導入し、条件設定、シミュレーション、限定検証、利用者への周知、例外設定、復元まで一連の運用を経験しました。
このプロセスを通じて、同社は単に削減可能な容量を示すだけでなく、現場の利便性を維持しながらアーカイブ条件を最適化する実践的な知見を獲得しました。成功例にとどまらず、古いファイルを参照するシステムへの影響や、更新されなくても参照され続ける画像やPDFデータの除外ポリシーなど、実運用で初めて見えてくる具体的な注意点まで顧客に提示できることが、同社ならではの強みです。
「さまざまなIT製品を自社で使い倒し、価値を体感することを大切にしています。実際に迷った点や注意点も含め、同じ課題を抱えるお客様の導入・運用を具体的に支援していきます」(花原氏)
現在、Opusの運用は安定しており、グループ内のアーカイブの適用範囲は、想定していた対象サイトのほぼ全域にまで拡大しています。今後のデータの増加傾向を見極めながら、アーカイブ基準を『最終更新から2年以上』から『1年以上』へ変更することも視野に入れています。また、電子帳簿保存法などの要件を踏まえ、アーカイブしたデータをいつまで保持し、いつ削除するかという社内のライフサイクルルールを整備することも今後の課題です。
さらに同社は、CopilotをはじめとするAI活用のさらなる本格化を見据え、日常的に使う鮮度の高いデータだけをSharePointに残し、低頻度・長期保管データと適切に切り分ける基盤づくりを進める方針です。こうした情報資産管理の高度化を実現するために、最終更新日だけでなく最終閲覧履歴に基づいてアーカイブする仕組みや、アーカイブ済みデータをAIで横断検索できる機能など、Opusのさらなる機能拡充にも期待を寄せています。

