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【Microsoft Ignite セッションまとめ】 Skype for Business から Microsoft Teams へ: チェンジ マネージメントの観点で考える、ユーザー サポートのベスト プラクティス

By: AvePoint

Skype for Business の Microsoft Teams への統合が本格的に始まりました。今まで 「Teams はいろいろと面倒そうだから、Skype for Business でもいいか」 と考えていたユーザー企業も、真剣に転換プランを模索しなくてはならない段階に入っています。

しかし、Skype for Business と Microsoft Teams は、同じような機能が利用できるとはいえ、本質的に異なるツールであるため、切り替えにはしっかりとした計画が必要となります。

今回の記事では、Microsoft Ignite 2018 において開催されたセッション 「Best Practices for supporting user change management for Teams including Skype for Business」 (スピーカー: Debbie Arbeeny 氏) において展開された 「Skype for Business から Teams への転換に際してどのような点に注意すべきか」 を、主にチェンジ マネージメントとマインドセットの観点から解説します。

【点ではなく、線で考えるチェンジ マネージメント】

Skype for Business から Microsoft Teams への転換は、多くの組織にとって、Microsoft Teams の導入は 「新しい働き方への転換」 を意味するため、チェンジ マネージメント の考え方を採り入れて進める必要があります。

また、組織に働く人は実に多様です。部署やロールの違いはもちろんのこと、働き方や物事の捉え方、学習の方法などは、個人によって異なります。このため、変化を成功させるためには、変更点を周知するキャンペーン、トレーニング、サポートなどを重層的に用意することが重要です。

【具体的なメリットを打ち出す】

Skype for Business から Microsoft Teams への転換を成功させるためには、まずはペルソナとユースケース シナリオの理解、バリュー メッセージの打ち出し方といったところから始める必要があります。

ただ単に 「Skype から Teams にアップグレードします」 ではなく、「皆さんのチームの働き方と、あとは 《具体的なメリット》 があるので、この部署は Skype for Business から Microsoft Teams に移行します。移行することで、こんなことができるようになりますよ、こんなメリットがありますよ」 という姿勢を打ち出すことが重要です。

【…しかし、やり過ぎは禁物】

しかし、エンド ユーザーに提示する変化の振れ幅には気をつける必要があります。Skype for Business から Microsoft Teams への転換は、単純にルック・アンド・フィールが変わる程度の変更ではなく、もっと抜本的な変更となります。

このため、Teams への転換と同時に発生することが考えられる変化 (例えば別のテクノロジーやプロセスへの移管、デバイスのアップグレードやオフィスの移転なども含めた物理的な変化など) も一緒に考え、あまりに大きな変化が同時に発生しないように配慮することも重要です。

Skype for Business から Microsoft Teams への転換によってもたらされる変化は、企業・組織が問題なくこなすことができるレベルのものにとどめる必要があります。

例えば、初日から 「はい、これが変更点全部です、あとはこのツールを使ってくださいね、今までのはリタイアさせますから」 とばかりに 1 日かけてトレーニングを実施し、あとは知らん顔、という (今までありがちな) トレーニングでは、情報過多状態となったユーザーが大混乱するのは目に見えています。

【トレーニングはあえて簡単に】

まずはエンド ユーザーが現状で Skype for Business をどのように利用しているかを把握するところから始めましょう。

そして、Microsoft Teams ではそれらのアクションをどのように (場合によってはより便利に) 実行できるか、という観点からトレーニングをスタートさせるほうがはるかに有益です。さらに実業務に即したトレーニングを行うことで、「実際に新機能を使って業務を行う自分の姿」 がイメージしやすくなり、「こんなこともできるようになる」「こんなところが便利になる」 と考えやすくなる環境が生まれます。

つまり、「なんだかわからないけど、変わるって言われたから、仕方なく」 システムの切り替えに渋々付き合う、という雰囲気を避け、「アップグレードして便利になった」 と、変化をポジティブに捉える雰囲気が醸成できるわけです。

実際に実施された切り替えプログラムでは、エンド ユーザーに毎週新しい課題を与え、課題のクリアには 「やったことのないアクションを一つだけ実行する」 だけで充分と設定した簡単クリア型のプロジェクトを実施しました。結果、エンド ユーザーは 「こんなに単純に覚えられるのだから、簡単に使えるツールなんだ」 との印象を与えることができ、結果として利活用率は期待を大きく上回るものとなりました。

【ピア チャンピオンを活用したきめ細やかな対応】

もうひとつ重要なポイントは、変化やその内容、心構えについてチームメイトたちに伝えてくれるピア チャンピオンの助力を仰ぐことです。

IT 部門やマネージメント層が、組織のひとりひとりのレベルまできめ細やかな変更対応策を用意することは、現実的にいって困難なものがあります。

「上から」 では手の届かない細やかさで、一般ユーザーと同じ目線で考え、同じ現場に立つチームメイトとしての立場から仲間を支えることができるピア チャンピオンの存在は、この意味で非常に貴重なものといえます。

【フィードバックを聴き、活かせる環境を】

フィードバックのループをしっかりと確立し、導入を担当するチームにユーザーの声が届くような環境を醸成することは非常に重要です。

ユーザーのフィードバックを導入に反映することができるようなコミュニケーション体制の確立は、ユーザー エクスペリエンスの向上ばかりではなく、使用量と突き合わせて 「ユーザーは Microsoft Teams の利用をどのように捉えているか、使って便利だと思っているか」 を実際にデータ化することにも役立ちます。

また、経営層やマネージメント陣に先陣を切って Teams を使ってもらい、脱メール/Skype for Business を実現する 「リーダー先行型」 の変化が有効である場合もあります。

ただし、「Teams 以外のオンライン ツール」 にユーザーが流れていってしまい、その結果としてシャドー IT の拡大などの事態が起きないよう、注意しておく必要はあります。このような事態は、ユーザー エクスペリエンスの低下と、場合によってはデータロスなどのインシデントの火種となり得るからです。

【ポジティブな変化を】

エンド ユーザーに対して、変化をポジティブなものとして提示すること、サクセス ストーリーを共有することも重要です。「他社・他部署にはこの変化の結果、こんなメリットがあった」 という、「同じ目線」 でのサクセス ストーリーの共有は、エンド ユーザーの間に 「自分たちにもできそうだ」 という雰囲気を醸成することができます。

また、登場する新機能について 「こんなこともできるようになる」「こんな便利な機能が出た」 と、ポジティブな情報を発信することも重要です。3-5年に一度変更があるかないかであったオンプレミス版とは異なり、オンライン版では数週間おきに機能変更が発生します。機能を知っておくことで、ユーザーへの情報発信やサポートも適切に行うことができるようになります。