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【イベントレポート】総合窓口化で変わる市民サービスのあり方

By: 中村

広報の中村です。 先日、「窓口総合セミナー」 (主催:自治日報社、会場:コクヨホール) に行ってきました。今回は、千葉市の取り組み事例を聴講してきましたので一部をご紹介します。

総合窓口セミナー

窓口の総合化の背景

イベントサイトの文章を抜粋すると、「いよいよマイナンバーの通知が目前に迫り、業務の見直しも含めた窓口改善の大きな潮流の中、変化に対応し、より柔軟でスピード感を持った対策が求められている各自治体住民窓口業務ご担当の皆様に、今後の具体的施策を考える契機やヒントとなるセミナーです。」とあります。

千葉市の考える窓口総合化

講演した千葉市総務局の三木氏によると、総合窓口とは 「市民が窓口を移動しなくても、一つの窓口で手続きが終了すること」だといいます。 一般的に、総合窓口にはいくつかの類型があります。千葉市によると、市民を移動させずに職員が入れ替わって対応する「人海戦術型」、転出入など市民にとって複数の手続きが必要となるライフイベント関連の業務を統合する「ライフイベント型」、幅広い業務知識を持つ職員が各業務システムを使いこなして処理する「スーパーマン型」、職員へのガイド機能などを有した支援システムの助けを借りて、サービス提供を実現する「誰でも型」に分類されます。千葉市では、「ライフイベント型」と「誰でも型」を採用したといいます。

次に、どの業務を総合窓口対応にするかを決める必要がありますが、千葉市では、現状の 762 業務について総合窓口移行の実現性と効果の両面から分析を行い、かつ、いくつかのしきい値でふるいにかけました。しきい値については、「ライフイベントとの関連性が高い」 「平均受付時間は 10 分未満」 といった要素に該当する業務を総合窓口対象業務に適合すると判断しました。そして、最終的には、148 の業務を総合窓口に集約することにしたそうです。

総合窓口対応はどのような流れになるか

想定では「総合窓口課」を新たに設け、ライフイベントに関連する手続き (住民異動・ 戸籍関係・証明・収納) を一括して行い、それ以外の市民業務は個別窓口で対応するということです。各区役所にはコンシェルジェを置き、市民は来庁するとコンシェルジェから、総合窓口か別の所管課窓口にするかを誘導してもらいます。

従来の手続きですと、市民自らが各窓口へ移動して個別に申請して交付を受ける必要がありました。しかし、総合窓口では、市民はひとつの窓口で手続きが終了します。なぜできるかというと、総合窓口で手続きする場合は、集中事務センターというのを市庁舎内に新たに設けて、このセンターで各区役所の総合窓口で受け付けた申請を一括処理することで可能になるといいます。

総合窓口化で期待される効果と今後の展望

期待される効果ですが、例えば千葉市への転入手続きにかかった所要時間をモデルケースにすると、総合窓口で対応する前と後では、平均的な世帯 (夫婦と子供1人) の場合は手続き時間が 22 分短縮され、家族 5 人世帯では平均 53 分短縮される見込みだということです。 必ずしも市民が役所に出向いて対面で申請する必要のないものもあります。

将来的には、手続きの一部を電子申請化し、コンビニ交付や自動交付機などで受け取れることを目指しているそうです。勤労者や若者にとってはメリットがありそうです。使い慣れたスマートフォンやタブレットなどで隙間時間に電子申請して帰宅途中にコンビニで交付を受け取る、ということができれば、非常に便利になりますね。

各社による協賛セミナーも

協賛各社のミニセミナーも多様な内容で、示唆に富んでいました。各社の講演テーマは、最新 ITで支える窓口改善 (日本マイクロソフト)、窓口業務を業務委託する場合のコンプライアンス上の注意点(テンプスタッフ)、総合窓口を創るまでのステップの説明 (アビームコンサルティング)、総合窓口システム (日本電気)、窓口のユニバーサルデザイン化 (コクヨファーニチャー)と、様々なアプローチで、総合窓口の創設に取り組む自治体を支援できるとアピールしていました。

日本マイクロソフトは Skype for Business を活用した窓口改善を提案

日本マイクロソフトの講演では、統合コミュニケーション プラットフォーム / Web 会議システムの Skype for Business (旧Lync) を活用し、支所・出張所における窓口対応の改善を提案していました。

過去の合併により、少ない職員数で広域を管轄しているような自治体の支所では、支所の職員が市民からの相談をどのように判断していいのか分からないというケースがあります。その場合に、その市民の方に対し、「本庁へおたずねください」とは案内しにくいですよね。しかし、Skype for Business を使えば、支所にいる市民と本庁の職員をつなぎ、離れたところにいる両者が、システムを通じて窓口申請の授受を行うこともできるということでした。

Skype for Business には、遠隔コミュニケーションを可能にする機能に加え、在席状況を表示する機能もあります。豊島区では内線電話を廃止して、Skype for Business に切り替えたということですし、総務省が全職員5,000名対象にSkype for Business を導入し、7月初旬には省内の職員500名がテレワークに挑戦しました

 

Soumusho

日本マイクロソフトの講演では、手前味噌ですが、弊社の事例もご紹介して頂きました。シンガポール政府の社会福祉行政の業務を一元化したというものです。福祉・医療・子育て・介護などの福祉サービスの窓口を一本化し、住民・関係者から寄せられる情報の管理を一元化することで、住民・行政・福祉サービスに関わる関係者(ボランティアや医師など)の間における情報連携がスムーズになり、高レベルの福祉サービスの提供を支援しました。

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自治体業務のこれから

今年 10 月から個人番号カードの交付が開始され、個人番号は平成 28 年 1 月から社会保障・税・災害対策の行政手続きで利用されるようになります。平成 29 年の途中からは、地方自治体同士の情報連携が始まります。また、同年 1 月からは、マイナポータルの運用も開始されます。確定してはいませんが、マイナポータルで電子決済なども構想にあるそうです。

少子高齢化や労働人口の減少により、今後社会構造が大きく変化していく中で、官も民もそうですが、人員の生産性を高め、業務の効率化を図ることが求められています。総合窓口・申請窓口の総合化は有効な取り組みの一つですし、他にも、職員がいつでも・どこからでも、モバイル端末から安全かつスピーディに情報にアクセス・共有できる環境を整備すること、職員同士のコミュニケーションを革新するといったアプローチもあります。こうした取り組みの鍵を握るのがテクノロジーです。今後も当社は、自治体の業務効率化の取り組みを下支えする便利なツールを充実させていきますので、ご期待ください。

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