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担当者が振り返る自治体情報システムの構築プロジェクト: 千葉県市原市様の場合

By: 金籠

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こんにちは。AvePoint Japan コンサルタントの金籠 (かねこ) です。

前回のブログ から気付けば半年が経過してしまいました。その間に、Windows 10 のリリース、そして SharePoint 2016 Preview のリリースもありましたね。前回のブログでは 「社内ポータルの未来」 について書きましたが、今回は先日プレスリリースしたリアルな事例、千葉県市原市役所様でのポータル事例 についてご紹介します。


1)千葉県市原市様の情報システム構築の経緯

プライムベンダー様が受注された、Exchange、Lync (現在の Skype for Business) 、SharePoint の構築プロジェクトに対し、SharePoint と DocAve の設計・構築作業を請け負う形で参画させて頂きました。弊社がお手伝いさせて頂くことになったのは、SharePoint エキスパートのベンダーとして、グローバル・民間を含めた豊富な SharePoint の実績に基づく提案が評価されたことにあります。先日も、Microsoft 社の World Partner Conference 2015 にて、Microsoft Partner of the Year 賞の Collaboration and  Content 部門 をめでたく受賞させて頂きました!

なお、今回が初めてのタッグとなったプライムベンダー様には、共同で課題解決に取り組んで頂き、大変感謝しております。本事例化についてもプライムベンダー様のご理解なくしては実現できなかったこと、感謝申し上げます!

市原市役所様の最寄り駅は JR 内房線五井駅! 弊社は品川に位置しているため、総武快速でうまくいけば一本で行けます。五井駅は、かわいい電車、小湊鐡道の始発駅でもあります。いつか乗って、養老渓谷に行きたい…。

余談ですが、訪問させて頂いた際、なんと 2 回も市長に偶然お会いしました。
1 回目は市長と気付かず、同じエレベーターに同乗! 2 回目はロビーで待機中に話しかけてくださり、地元サッカーチーム VONDS について熱く語って頂きました。


2)自治体情報システムご提案のコンセプト: 活用が広がる・成長する情報共有システム

本プロジェクトの提案コンセプトとさせて頂いたのは、「活用が広がる・成長する情報共有システム」です。既に MOSS 2007 を導入済みだった市原市様では、SharePoint をもっと多くの職員の方に活用してもらいたいという思いを強くお持ちでした。そのためには、初期構築段階でしっかりとしたサイト デザインを行うと同時に、運用フェーズにおいて PDCA を回してポータルを改善し、成長させていくというプロセスを重要視した提案を行わせて頂きました。

 


 

3)自治体情報システムの共通課題: 市原市役所様の場合

構築においては、基本設計フェーズのコンサルティングを私のほうで担当させて頂きました。職員の皆様に活用いただけるポータルと作るために、まず実施したのはエンドユーザー部門の方々へのアンケート、そしてユーザーヒアリングです。これらを通して、職員の皆様の声を聞き、情報共有に関する課題を明るみに出す、ということにまずは取り組ませて頂きました。その中でも、多くの自治体様に共通するお悩みについて、いくつか紹介いたします。それぞれ、解決内容については 事例 を参照ください。

 

3-1)自治体情報システム共通の課題:掲示板形式の情報が分かりにくい

市原市様では MOSS 2007 を導入され、全庁ポータルを運営されていましたが、「掲示板情報の見づらさ」 が課題となっていました。掲示板形式での通知方法は、これまで他の自治体様でも多く既存環境を拝見させて頂きましたが、皆様共通の課題として 「 各職員にとって必要な情報が見えにくい」 というお悩みを抱えられているようです。全ての掲示情報がフラットに表示されてしまうと、何が自分にとって必要な情報かが見えなくなってしまうのです。情報の重みが薄れてしまうんですよね。

昨今ではプライベートな生活の中に SNS ツールなどが普及し、自分が興味のある情報、重要なニュースなどを簡単に収集できることが当たり前になってきているのに対し、企業や自治体組織内の ICT 環境ではそうなっていないというのが現状です。

課題解決として、SNS ツールも一案としてはありましたが、正式通達としての蓄積に適していて、職員の方に馴染みのある掲示板形式を維持し強化する方向で実現をしました。実現したシステムでは、以下の点をクリアすることで解決しています。

→ 自部署向けに発信された情報のみ受け取ることができる。
→ 照会対応など、対応期限が設けられた通達は、期限が迫っている順に参照することができる。
→ 特に周知が必要なトップニュースについては画像入り別枠 (Webパーツ) で表示することにより、訴求力を高める。

エンドユーザー部門を交えて議論を行った効果として、画像入りトップニュースについては不要との意見もあったのですが、肯定的意見が得られたことで採用に至っています。画像入りのニュースについては、視認性を上げたり、それを見た職員の方がモチベーションを得たりする効果があるのですが、これまでの組織内システムでは取り入れていないものだけに導入に対して抵抗を感じられることが多くあります。

SNS ツールなどの導入も同様ですが、職員の方が抱えている課題に対して効果が認められるコンテンツであると理解頂けるならば、エンドユーザー部門を巻き込みながらコンテンツを作り上げることで、馴染みのないものであっても歓迎されるものになります。このようにユーザー部門を早期に巻き込むプロジェクトの進め方は、プロジェクトの成功に対してとても重要になります。

市原市の全庁ポータル

市原市の全庁ポータル


 

3-2)自治体情報システム共通の課題: 増え続けるデータでゴミ箱化し、情報埋没を引き起こすファイルサーバー

掲示板情報と同様に、業務上の作業場所であるファイルサーバーは、情報の宝庫であると同時に、埋没の現場となっていました。年間消費するファイル容量は 1TB 近く! 必要なファイルを検索するのに、多くの時間をかけてしまっていました。なんとか食い止めようと、情報システム部門側で、各組織フォルダー内の第 3 階層までのフォルダーについては、あらかじめ分類を定義し固定化するという対策を実施したものの、ゴミ箱化はなかなか防げないというのが現状でした。要因としては、ファイル名でしか判別が付けられない、バージョン管理ができない、フォルダー階層でしかアクセスできない、という点が考えられました。

ファイルサーバーの代替としての SharePoint 導入は、何も考えずに実施すると、パフォーマンスや操作性の面で課題が出てくることが多いのです。しかし、本プロジェクトでは、DocAve によるインフラの補強を前提にすることで、以下のようなポイントを実現することができています。

→ ファイルサーバー機能を SharePoint 部門/課サイト内ライブラリとして提供する。
→ DocAve ストレージマネージャー で、過去年度文書保管用のストレージを拡張する。
→ DocAve 管理センター で、フォルダー運用の強化を実現する。

 

3-3)自治体情報システムの共通課題: 作業効率をアップできる便利な機能を職員に知ってもらいたい

MOSS 2007 を導入されていた市原市様では、InfoPath フォームの活用など積極的に利用されている部門は一部だけ、それ以外の部門での利用がなされていませんでした。知らないだけで、あらゆる業務効率化に役立つはずなのに…。次期基盤ではそういった便利機能の認知度を上げ、職員の方が十分活用できるポータルにするということが命題の一つでした。

ここでは大きく 2 つの改善点があります。まずはそういった機能のユーザー認知度を上げていくこと、2 つ目は使おうと思った時に、すぐに使えるようになること。具体的には以下のような改善を実施しています。
→ 全庁ポータルのトップにExcel Web Accessによる分析結果の表示を行い、活用例を示す。
→ セルフヘルプを充実させ、検索しなくても一目で分かる使い方を指南する。

ツールとしての上記改善と同時に、職員の皆様向け(全部署)に新しいポータル利用方法のトレーニングも実施させて頂きました。

 


まとめ

いかがでしたか?
これらは自治体様のみならず、民間企業様にも共通となる課題です。ポータル構築を検討中のお客様の参考になれば幸いです。

なお、こちらで紹介しているポイントはツールやコンテンツ面での解決方法など、私たちのノウハウの一端になります。ポータルプロジェクトの成功にはお客様のビジネスゴールに即したアプローチが大切です。もし御社のポータル構築をお考えであれば、是非営業窓口までお問い合わせください!

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