Skip to Main Content

国内導入事例

市原市 様

有機的検索システムで、〈ひと〉 と 〈情報〉 をつなぐ
ファイル サーバーから SharePoint への転換で、職員検索・ファイル検索を一本化。
情報の見つけやすさ強化・キーパーソンの見える化により、職員の生産性向上を狙う

市原市役所 総務部 情報管理課 情報システム係 主任 (当時) 甲田大輔 氏
市原市役所 総務部 情報管理課 情報化推進係 主任 安藤善文 氏

IchiharaCityIchiharaCity

業界:

自治体・官公庁

導入環境:

SharePoint Server 2013
Windows Server 2012
SQL Server 2014
SharePoint Server 2013 SP1

ユーザー数:

2,250名

課題:

  • ファイル サーバーで行っていた文書管理機能を SharePoint に統合したい
  • SharePoint の人検索機能を使って、職員プロファイル情報をもとに職員検索を行えるようにしたい
  • 職員の活用が進む SharePoint の運用設計

システム構成図:

IchiharaCity

千葉県市原市役所は、2009 年から Microsoft Exchange Server 2007、Microsoft Office SharePoint Server (MOSS) 2007、Microsoft Office Professional Plus 2007 などの一連の Microsoft 製品を導入し、職員業務の効率化・情報活用促進などに取り組んできました(※1)。2014 年に、情報共有システムの再構築が決定されました。

Ichiharacity

お話を伺った方:
市原市役所 総務部 情報管理課 情報システム係 主任 (当時) 甲田大輔 氏 (右)
市原市役所 総務部 情報管理課 情報化推進係 主任 安藤善文 氏 (左)

― SharePoint を導入したことによるこれまでの成果と、使用してから明らかになってきた課題について教えてください。

<甲田氏>

以前に使っていた Notes はカスタマイズのハードルが高かったのですが、SharePoint は Office 製品との親和性が高いこともあり、研修を受ければ、IT バックグラウンドのない各担当課の職員でもサイトを作ることができました。そのため、庁内の各プロジェクトで SharePoint のチームサイトを立てることができ、職員同士の情報共有が活性化しました。一方で、構築の期間が短かったこともあり、十分な設計を行う時間的余裕がないまま各課に展開せざるを得なかったため、各課サイトの活用が広がらなかったのは大きな反省点です。

― そして 2014 年、職員情報システム全体の再構築を決定されたわけですが、再び Microsoft 製品を選択された理由についてお聞かせください。

<甲田氏>

Exchange と Lync (現 Skype for Business)の連携が非常に使い勝手が良く、手放せなくなっていたという点が最大の理由です。SharePoint に関しては、他のグループウェアと異なり、作り込みをすれば各部署固有のニーズに柔軟に対応できる発展性の高さを評価していましたので、迷うことなく SharePoint Server 2013 へのアップグレードを決めました。2009 年の初回構築時点でと比べて、我々自身の SharePoint のノウハウが蓄積されてきたことや、SharePoint バージョンが 2007→2010→2013 と上がるにつれて機能が拡充され、事例も増えてきたことも、SharePoint を選んだ理由です。

※1:日本マイクロソフト事例記事 http://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/ichihara.aspx

人口 28 万人を擁し、千葉県内最大の面積を誇る市原市。臨海部には全国屈指の石油化学コンビナートが立地し、製造品出荷額は県内トップを誇ります。その一方で、市内を縦断する風情漂う小湊鐡道や景勝地として知られる養老渓谷など、豊かな自然と歴史・文化の息づくまちという側面もあります。サッカーJリーグのジェフユナイテッド市原・千葉のホームタウンでもあります。

ウェブサイト: http://www.city.ichihara.chiba.jp/

今回、SharePoint の再構築にあたり市原市が重要視したのは、以下の 3 件の課題にどのように対処するかであったといいます。

  • ファイル サーバーで行っていた文書管理機能を SharePoint に統合したい
    ファイル サーバー主体で行っていた文書管理で、検索性の低下・バックアップの問題が浮上
  • SharePoint の人検索機能を使って、職員プロファイル情報をもとに職員検索を行えるようにしたい
    Web の職員録システムで行っていた職員検索システムを、SharePoint 上で代替したい
  • 職員の活用が進む SharePoint の運用設計
    最初に構築した SharePoint サイトは職員に十分に活用されず、メールやファイル サーバーに情報が埋没してしまっている

課題1: ファイル サーバーで行っていた文書管理機能を SharePoint に統合したい

― 市原市では、ファイル サーバーで管理していた文書を SharePoint に統合したそうですね。単純に情報共有が目的ならば、ファイル サーバーで足りるという考え方もあると思います。ファイル サーバーのどのような点が問題として浮上してきたのでしょうか?

<甲田氏>

大きく 3つの問題がありました。十分な統制を効かせられない こと、ファイル サーバーがごみ箱化しやすく、検索性が落ちる こと、そして ファイルの復元の問題 です。文書管理ルールをユーザーに周知徹底しても、完全に統制を効かせるのは難しく、様々な場所にファイルが散在してしまいます。その結果、欲しい情報が埋没し、ファイル サーバーの中を探し回ることになります。Windows ファイル サーバーの標準機能 「ファイルの検索」 でも検索は可能ですが、該当ファイルがなかなかヒットしません。全文検索だと非常に時間がかかりますし、結局は自分の勘に頼ってファイルを探す羽目になり、事務コストが無視できないレベルまで増大していました。次にファイルの復元の問題ですが、以前は、誤って削除してしまったファイルの復元依頼が職員から相当数ありました。しかし、庁内のファイル サーバーの容量の関係で、最終更新日の 3 ~ 4 日前までのドキュメントしか復元できないという制約があり、「先ほど作ったファイルの状態に復元したい」 などの依頼には応えることができません。そうなると、職員が資料を最初から作り直しせざるを得ず、ここでもまた多大な事務コストがかかっていました。

― ファイルサーバーを SharePoint に統合したことで、どのような効果が得られましたか?

<甲田氏>

データを統合したことで、SharePoint のエンタープライズ検索機能が活きるようになりました。更新日・作成者・ファイルの種類・場所などから絞り込み、横断的にドキュメントからリストまで検索することができます。これにより、ファイルを探す時間が短縮されましたね。情報が埋もれなくなりました。ファイルの復元については、SharePoint のごみ箱機能 のお陰でユーザー自身が復元を実行できるようになりました。各部門サイトの中にドキュメント ライブラリを作って、そこにファイルを保存するという運用にしているのですが、削除するとファイルはサイトごみ箱に行きます。一定期間経過するとサイトごみ箱から消えてしまいますが、「さきほど消してしまったファイルを復元したい」 という場合に、ユーザー自身が復元を実行できるようになったのは大きなメリットです。

― SharePoint では十分な統制を効かせることができていますか?

<安藤氏>

市原市には、「上から 3 階層目までは閲覧のみの権限にして、ファイル・フォルダーの作成およびフォルダー名の変更ができないように制御する。ただし、4 階層目以降からは自由に作成可能にする」 という、ファイル サーバー使用時代から継続して使用している文書管理ルールがありました。ユーザーに独自の分類を作らせたくないために導入したルールだったのですが、これを SharePoint への切り替え後も引き続き運用したいという強い要望がありました。

このルールを SharePoint 標準機能で実装しようとすると、文書の作成を許可したいフォルダーに対してユーザー固有の権限を割り当てることで実現可能なのですが、SharePoint のレスポンスが著しく低下するというデメリットがありました。そのため、ルールの実装は難しいと、提案の時点では複数の SI 企業から聞いていました。しかし、AvePoint は、SharePoint の権限を変えるという方法ではなく、権限は継承したままでファイル・フォルダー作成、フォルダー名変更ができないようにユーザー操作を制御する機能を AvePoint 製品にカスタマイズではなくパッケージとして追加するという方法を提示し、実際に実装してくれました。もちろん、レスポンス レベルは維持されたままです。SharePoint 切り替え後も、重要な文書管理ルールを引き続き運用することができたことに満足しています。

Ichiharacity

上から3階層目では、DocAve による制御で、ユーザーによるファイル・フォルダー作成の操作が無効になる

課題2 : SharePoint の人検索機能を使って、職員プロファイル情報をもとに職員検索を行えるようにしたい

― 市原市では、人事データベースに蓄積されているプロファイル情報を SharePoint に取り込み、部署や職員の持っているスキルなどの属性情報によって人検索ができるようにし、職員間での情報共有や部署を超えたナレッジの活用促進を実現したいという希望がありました。

― 以前に使っていた職員録システムについて教えてください。

<甲田氏>

市の職員が開発した Web システムで、職員情報を管理する人事データベース(SQL Server)と連携し、動的にページを表示する仕組みになっていました。在席中・離席中・取り込み中・応答不可など、職員の在席状況をランプで表示するもので、職員は在席情報をふまえて通信手段 (内線電話・チャット・メール)を選び、相手とコミュニケーションができるというものでした。

※従来の職員録システムについては、日本マイクロソフト社の事例記事を参照
https://c.s-microsoft.com/ja-jp/CMSImages/4954-WI1_i3.gif?version=79dd6a74-46da-f3f9-732f-6864a36b24b7

<安藤氏>

従来の職員録システムの問題点は、SharePoint からは独立したシステムであるため、SharePoint のエンタープライズ検索のような発展性がないことでした。単純に文字の一致でしか検索できないのです。SharePoint の導入で期待したのは、職員名・部署名などの検索により、関連情報も引き出す機能性でした。例えば、「ネットワーク」 という単語で検索したら、私の名前、私の作成した関連するドキュメントが出てきたり、私とつながりのある人物が検索結果に表示されるというような感じですね。検索結果に出てきた職員については、Skype for Business の在席状況も表示されますので、そのまますぐチャットを開始することもできます。

― そこで市原市は、人事データベースおよび Active Directory の情報を SharePoint のユーザー プロファイルにインポートし、上記の職員検索を実現しました。具体的には、所属部署・職員番号・名前・内線・メールアドレス・異動履歴・研修受講履歴・従事事務・資格情報をインポートしました。

― 今後、SharePoint の人検索機能をどのように活用していきたいですか?

<安藤氏>

市役所では人事異動が頻繁に起こります。異動した職員が異動先の部署で前年度の資料を閲覧したいときに、SharePoint で検索したら、関連文書とともにその文書を作成した人物の情報が出てきて、詳しい人が分かるという風にしていきたいです。例えば、庁内のシステムに最も詳しいのは甲田ですが、来年度、ネットワークについて質問がある職員が 「ネットワーク」 と検索したら、甲田が前年度に作ったドキュメントが検索にヒットし、そこから甲田がシステムに詳しいことが分かり、彼にコンタクトするという流れが生まれると思います。これはファイル サーバーでは実行不可能なことですから、文書管理を SharePoint に統合したからこそ、ここまで効果を発揮することができるのだと思います。

Ichiharacity

「ネットワーク」 と検索すると、ネットワークに詳しい職員名とプロファイル情報、さらにはその職員が作成したドキュメントなどが検索結果に表示される

課題3: 活用が進む SharePoint の運用設計

― 前回(2009年)の構築では、部サイト・課サイトを作ってユーザーに展開したものの、ほとんど活用されなかったという反省がありました。そして一度サイトを展開してしまうと、管理ツールがない中では、100 件以上のサイトをひとつひとつ手動で修正するのは、事実上不可能でした。そこで今回の再構築では、今後 6 年間の運用を見据えて、サイト設計・ライブラリ構成や、サイト全体のデザイン設計をしっかり行いたいという要望がありました。そこで、サイト設計に関しては、全庁ポータル・部門ポータル・課ポータル・プロジェクトサイト・個人用サイトの 5 種類を設け、各種のデザインカスタマイズを行いました。

― ユーザー活用を促進するために、特に工夫したポイントを教えてください。

<甲田氏>

課サイトについては、2 種類、すなわち、課外の職員向けのポータルサイトと課内の職員向けのポータル サイトを作りました。これは、課内で利用する情報と、課外の職員と共有する情報を区別したいというニーズが高かったことから導入した措置です。課外サイトでは、課の職員が課外向けに提供したい電子フォームやアンケートといった共通のテンプレートを、各サイトに用意しました。それから、課の職員一覧を表示する Web パーツをトップページに配置し、課外の人でも誰がどこに所属しているのかすぐわかるようにしました。

Ichiharacity

課外ポータルのトップページ。中央に職員録が表示されている

― ここでも情報を埋没させない仕組みを作ったとか?

<甲田氏>

マニュアルを保存するドキュメント ライブラリを課外・課内向けサイト内に、テンプレートとして用意しました。ユーザーがマニュアルの保存場所にファイルを登録すると、自動的に 「マニュアル」 というタグがつく仕掛けになっています。SharePoint の標準機能では、ユーザーがドロップダウンリストから 「マニュアル」 を選んでタグ付けする必要がありますが、今回はタグ付けの自動化まで踏み込んで実装しました。

<安藤氏>

我々は、ユーザーにタグ付けをさせません。これは、掲示板の投稿など、SharePoint の検索対象にしたいアイテムについては、この仕組みを適用しています。これにより、例えば、SharePoint で 「マニュアル」 「予算」 と入力して、更新日でフィルタリングをかければ、該当するマニュアルがすぐ見つかるようになるため、例えば人事異動などの後にマニュアルを探す手間も省けると期待しています。

課内サイトにあるテンプレートを使って、ユーザーがマニュアルを保存する流れ。自動的にタグ付けが実行される

Ichiharacity
Ichiharacity
Ichiharacity

― 全庁ポータルのデザインも大きく刷新されましたね。

<安藤氏>

SharePoint をハブとして使ってもらうために、全庁ポータルには利用頻度の高いコンテンツへ誘導するアイコンを置きました。例えば、ヘルプやソフトウェア センター (ダウンロード サイト) へジャンプできるアイコンを配置したり、文書管理システムと連携して、未決案件の数字を Web パーツで表示させるようにしたり。シングル サインオンにしているので、別システムに飛んでも、シームレスに連携ができるようになっています。また、全庁ポータルは、職員が登庁して PC を立ち上げれば必ず起動する仕組みになっているので、必ず一度は閲覧される仕組みになっています。

<甲田氏>

MOSS 2007 と比べると、SharePoint 2013 ではトップページのスペースが減少してしまったので、「いかに少ないクリック数でユーザーが効率的に欲しい情報にアクセスできるか?」 を念頭に、AvePoint とともに全庁ポータルの設計を考え、作り込んでいきました。全庁ポータルからワンクリックで所属する課サイトへと遷移させるアイコン 「自分の課へ」 を配置したのも、こうした一例です。

― 他に気に入っている点はありますか?

<甲田氏>

掲示板の機能で、ある投稿者が作成した投稿について、投稿者と同じ課に所属している職員であれば編集できるようになったことですね。これは Notes の時代にはできていたのですが、MOSS 2007 ではできていませんでした。

Ichiharacity

全庁ポータルのトップサイト。右側に利用頻度の高いアイコンを配置し、ユーザーが必要とする情報へ少ないクリック数で遷移できるように工夫した

Ichiharacity

― AvePoint は貴庁の SharePoint 要件定義・構築・運用管理をご支援させていただきました。今後も引き続き保守運用フェーズでご支援させていただきますが、率直な感想やご要望をお聞かせください。

<甲田氏>

AvePoint からは、様々な事例をご紹介いただきながら提案を受けたのですが、グローバルに展開している企業カラーを反映して、国内のみならず世界各国からの豊富な実例をベースに提案していただきました。我々ユーザー側は勝手なことを色々言いましたが、SharePoint の制約との折り合いをつけたりなど、我々だけでは足りない 「あと一歩」 を埋めてくれたのが AvePoint だと感じています。

<安藤氏>

障害対応が迅速な点は有難いです。コアな障害発生時もマイクロソフトさんと緊密に連携して素早く解決してくれました。

― 貴庁の SharePoint は、2015 年 3 月にエンドユーザーに向けて公開されました。利活用促進についてはどのようにお考えですか?

<甲田氏>

2009 年に SharePoint を構築したときと比べて、今回は、時間をかけて向こう 6 年間の運用を考えた設計ができました。ただ、SharePoint は構築して終わりではなく、運用開始後も継続して取り組むことで効果を最大化できるシステムであると考えています。運用開始後は、AvePoint の利用状況分析サービスも活用して、地道に改善を続けながら 「成長するポータル システム」 として、進化させていきたいですね。人検索やファイル検索など、SharePoint が提供する便利な機能を、研修などを通して、ユーザーに周知していきたいと考えています。

<安藤氏>

SharePoint に情報を集めてくる仕組みは作りましたので、検索の精度を上げて、Exchange と Skype for Business との組み合わせにより、ユーザー利活用を促進し、相乗効果を出していきたいですね。

Ichiharacity

― 会議運営を効率化する SharePoint アプリ 「AvePoint Meetings」 もご採用いただきました。

<甲田氏>

庁内では多数のプロジェクトが動いていますが、プロジェクトを回す部署というのは、会議も多く、非常に忙しい傾向にあり、SharePoint で検索する手間すら惜しいほどです。資料を検索しないで済むなら、そのほうがいい。Meetings は、散在しがちな会議録など関連コンテンツを Meetings アプリ内に記録でき、かつ時系列に整理できますし、Outlook Exchange との連携機能があるので、会議運営の事務も効率化できます。忙しい部署だからこそ、Meetings を活用して、効率的に業務をこなしてほしいと期待しています。