T-Systems、DocAve を活用して 300 TB のデータを Microsoft SharePoint 2010 および SharePoint Online へ移行することに成功

クリティカル ニーズ

  • 複数の既存システムから SharePoint 2010 への完全忠実な移行
  • SharePoint Online へのステージ型移 行
  • SharePoint Online 環境内でのシーム レスなコンテンツ管理

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ハイライト

  • 50 テラバイト (TB) ものデータの移行に成功、2013 年までに 300 TB 移行という当初の計画 を維持
  • 既存システムや旧 SharePoint バージョンから、メタデータやセキュリティ設定、バージョン履歴など を完全忠実に維持したまま移行
  • ステージ型の移行を採用することで、複数存在した接続パスを統一して SharePoint Online への移行を効率化
  • AvePoint パートナー サービス (APPS) チームと連携して移行を進めたことで、世界最大の SharePoint 専業研究開発チームのノウハウを活用することに成功
quote “AvePoint 技術サポート チ ームと一緒に働けたことは、私 たちにとって最も大きな経験となりました” quote
Parthasarathy Thandavarayan 移行アーキテクト T-Systems

挑戦

T-Systems は、あるグローバル企業の SharePoint 2010 への大規模な移行プロジェクトに参加していました。このクライアントはそれまで Microsoft Office SharePoint Server (MOSS) 2007 を使用しており、社内のプロジェクト チームや外部パートナーとのコラボレーションの場として活用してきました。

最新版である SharePoint 2010 が登場したとき、クライアント側の社内担当者は、ただ環 境をすべて MOSS から移行するだけでなく、その他既存システムからもコンテンツを一元化する大きな チャンスだと考えたといいます。この時クライアント企業内では OpenText LiveLink やMicrosoft Exchange Server パブリック フォルダ、さらにファイルシェアを使用していました。

「クライアントが希望していたのは、知的プロパティを保管するためを一つに 統合するという形でした」 T-Systems プロジェクト センター ECM エンタ ープライズ・パブリック セクター部の部長を務める Christoph Bernhardt 氏は話します。「FAST Search Server 2010 for SharePoint を活用したコンテンツの迅速な検索とともに、 SharePoint の持つコンテンツ ライフサイクル管理機能を使用してデータ管理にかかるコ ストを削減できると考えたのです」


しかし、移行作業は非常に困難なものでした。クライアント企業では 15 万を超えるエンドユーザーと、300 TB ものデータを抱えていたからです。これほどの規模のコンテンツを新しいシステムへと移行すると同時に、組織内で広く使用されていた SharePoint 機能を維持するために、クライアント のデータは必ず完全忠実な形に保たなければなりませんでした。ところが、 SharePoint の持つ既定の機能では、これは非常に難しい作業だったのです。

「新しいシステムに移行することで使えるようになる新機能は確かに 魅力的でしたが、同時に今までのデータの履歴なども維持しなければなりませんでした」 T-System で移行アーキテクトを担当する Parthasarathy Thandavarayan 氏は語ります。「この履歴を保つということが本当に重要だったのです」


クライアントでは、移行先として SharePoint 2010 だけでなく Microsoft Office 365 や SharePoint Online を使用することも検討していました。「Microsoft によるクラウド サービスを使用するために、クライアントでは環境内の標準化を進める計画が立ち上がりました」 Berhardt 氏は言います。「Offce 365 を活用することで、企業内のテ クノロジー投資にかかる総保有コストの削減につながるからです」

クライア ントが目指す、オンプレミスとクラウド上の両方にプラットフォームをホストす るというハイブリッドな SharePoint 環境を実現するべく、T-Systems では Office 365 への移行を実行すると同時にクラウド上のコンテンツを効率的に管理することのできるツールの重要性を感じるようになりました。


非常に大規模なデータを様々な既存システムから完全忠実に移行すると同時に、クラウド上のコンテンツ管理も実行できる、そのような SharePoint ソリューションを T-Systems は模索し始めるのです。

AvePoint のソリューション

様々なソリューションを検討した結果最終的に T-System が選んだのは、2001 年の設立以降 SharePoint のエンタープライズ クラスのガバ ナンスとインフラ管理ソリューションを提供し続けている AvePoint による DocAve ソフトウェア プラットフォームでした。

DocAve ツールは、それぞれ独自に展開可能な30以上のモジュールとそれを統合するブラウザ ベースのインターフェイスから成るソフトウェア プラットフォームです。DocAve は 全体で機能する統合的な構造を持ちながらも、それぞれのモジュールを単体で購入、展開することも可能です。

「これだけのボリュームの移行作業ですから、ツールの選択では実績を重視しました」 Bernhardt 氏は話します。「私たちは、この業界においては AvePoint が最も大きな経験を持っていると感じました。将来的にも私たちの助けになってくれると考えたのです」


T-Systems は早速、既存システムから SharePoint 2010 への移行を可能にする DocAve 移行ソリューションを導入しました。既存プラットフ ォーム全てから完全忠実な形でコンテンツを移行するだけでなく、 DocAve の持つマッピングやレポート機能もまた T-Systems の大きな助けになったといいます。

「このような SharePoint 2010 への大規模な 移行作業の場合、移行元と移行先のエレメントをマッピングできる機能は非常に重要です」 Thandavarayan 氏は話します。「また SQL ログを 取得する DocAve の機能も、ジョブの進捗状況をレポート化してクライア ントに提出したり内部記録用に保管したりといった際に大きく役に立ちました」


そして、クライアントのクラウド環境においては、T-Systems は DocAve for SharePoint Online を使用したといいます。DocAve は、エンター プライズ コンテンツを SharePoint Online へ移行し、ハイブリッドな SharePoint 環境の管理を可能にする包括的なソリューションでもあります。

「接続パスの制限があったため、私たちはクラウドへの移行の際にステージ型の移行作業を実行しました」 Bernhardt 氏は語ります。「このとき DocAve を使用したことで、私たちはまず移行元環境からステージング 環境へ、さらにそこから直接クラウド本番環境へと展開することが可能になったのです」


また、Office 365 への移行の際は、T-Systems はまず Microsoft へクライアントのコンテンツ データベースを送る必要がありました。この期間、 データベースは 『読み取り専用』 状態に設定されます。このデータベースを Office 365 上に展開し、『読み取り専用』 から解除する際に、この期間中に作成されたコンテンツもまた完全忠実な形で迅速に移行しなければならないのです。

「DocAve を使用したことで、コンテンツ データベースが 『読み取り専用』 状態になっていた間に新たにユーザーが作成したコンテンツを SharePoint Online へと移行する作業は実にシームレスに行うこ とができました」 Thandavarayan 氏は話します。


実はこの移行プロジェクトがまだ計画段階だった頃、T-Systems は AvePoint パートナー サービス (APPS) チームと何度も協議を重ねていたといいます。

APPS は、世界最大の SharePoint 専門開発グループです。このチームはカスタム ビルドのソリューションやサービス、アプリケーショ ンなどを提供し、パートナーやクライアントが求めるビジネス要件を実現することを目的としています。

「APPS チームが持っていた移行プロジェクトのノウハウや課題などの経験は、私たちにとって非常に大きなものでした」 Bernhardt 氏は話します。「プロセスの立ち上げからクライアントとのミー ティングへの出席まで、今回のプロジェクトを単なるアイディアでなく実際に 実現するまで作業に関わっていただきました。APPS チームの助けを借りて私たちも今回のプロジェクトのために特別なツールなどを使用することがで きましたし、彼らのサポートも素晴らしいものだったと思っています」


今回得た経験から、T-Systems では移行プロジェクトが計画されると必ず AvePoint 技術サポート チームと連携するようになったといいます。 「AvePoint 技術サポート チームと一緒に働けたことは、 私たちにとって最も大きな経験となりました」 Thandavarayan 氏は話します。「彼らは献身的に問題に当たるだけでなく、サポートの要件を適切に分類する判断力も備えていたと思います」

最終結果

既存システムから SharePoint 2010 や SharePoint Online へ大量のデータを移行するという経験から、T-Systems は信頼できるツール セットを手に入れることができました。

T-System が AvePoint から得たものはソフトウェア ソリューションだけではなく、彼らがこのような大規模かつ重要なプロジェクトをこれまでクライアントと進めてきた中で培った経験やエ ンタープライズ クラスのサービスなども大きかったといいます。

DocAve ソリューションと APPS のサポート、AvePoint 技術サポート チームが一体となって生み出す強力なサービスは、これからも T-Systems が進める SharePoint 移行プロジェクトの中で大きな役割を果たしていくことでしょう。

顧客紹介 T-Systems

T-Systems は、ドイツ最大の通信会社ドイツテレコムのグループ会社です。

データセンターやネットワ ークを世界中に展開し、グローバル企業やパブリック セクターを対象に情報コミュニケーション テクノロジ ー (ICT) システムを提供しています。

20 を超える国々にオフィスを持ちグローバルなデリバリー能力を誇る T-Systems は、自動車産業や電話通信、金融セクター、リテール、サービス、メディア、エネル ギー、製造だけでなく、政府機関や医療セクターも含めた様々な業界をクライアントとして業務を行っています。T-System では現在世界規模で 47,600 人の従業員を抱え、これまでの ICT ノウハウを生かしたトップ クオリティのサービスを提供しています。