AvePoint Cloud Backupで世界各地域の規制にスムーズに対応しビジネスの成長を加速 

TDK株式会社 様

TDK株式会社 経営システム本部 ビジネスシステムグループ ITインフラストラクチャーマネージメント部 部長
梶本 尚志 様
対象のサービス
Microsoft 365
企業規模
10,001名~
対象の業界
製造
抱えている課題
Microsoft 365 の導入・活用をしたい
製品・サービス
Cloud Backup for Microsoft 365
  • グローバル企業として各国の規制に対応するため、Microsoft 365 のバックアップシステム導入を検討 
  • HPE(日本ヒューレット・パッカード社)によるAvePoint Cloud Backupの紹介・トータルサポートを受け、データ保管場所・保持期間の柔軟な設定とランサムウェア検知機能を理由に採用を決定・導入 
  • 管理者・ユーザー双方にとって使いやすいUIであることに満足し、移行ツール「FLY」の導入にも意欲  

グローバルでビジネスを加速させるための情報基盤としてMicrosoft 365を全社導入 

TDKでは、革新的な電子デバイスの開発・提供を加速させるために、『グローバル共通コラボレーション基盤』 としてMicrosoft 365 の導入を行うなど、スピード重視の経営システムの整備を進めてきました。2021年に日本の拠点から先行して導入し、2022年4月には全社導入とグローバルでのAzure AD統合を完了しています。経営システム本部 DX推進グループ TDK AIセンター AIテクノロジー開発 部長 松井 裕 氏は導入までの社内の状況について次のように説明します。 

「20年以上にわたり全社共通で外資系ITベンダー製のグループウェアを使用していましたが、稼働環境の整備や運用は国・地域ごとに行われていたため、情報の一元管理がしづらい、グローバルでの協業がスムーズにいかないなどの課題が顕在化していました。環境をアップデートし、ビジネスを加速させられる最新のソリューションをグローバルで導入すべきだという問題意識が社内で醸成され、新たなコラボレーション基盤製品としてMicrosoft 365 の導入を決定しました」

経営システム本部 ビジネスシステムグループ ITインフラストラクチャーマネージメント部 部長 梶本 尚志 氏は 、シングルテナントでのMicrosoft 365導入の成果について、次のように話します。 

「グローバルに展開する事業会社間の連携を加速させ、多様なメンバーの協業により新しい価値を創出する『TDK United』として期待通りの成果をあげています。TeamsやSharePointを活用することで国・地域をまたいだプロジェクトを何の障壁もなく立ち上げられるなど、以前のシステムではできなかったシームレスなコミュニケーションができています」

シングルテナント環境で世界各地の規制に対応しながら
ランサムウェア対策もできるAvePoint Cloud Backupを評価 

一方で、Microsoft 365の導入後に、標準機能だけでは対応しづらいニーズや課題も散見されるようになりました。経営システム本部 ビジネスシステムグループ ITインフラストラクチャーマネージメント部 システム管理グループ M365基盤チーム リーダーの千原 章一 氏は次のように振り返ります。 

「例えば、ドイツの自動車業界との取引では『TISAXラベル』の取得が必要だったのですが、バックアップデータをオリジナルデータとは別の場所に保管することが取得条件の一つになっていました」 

そこで同社はバックアップツールの検討を開始。具体的な製品選定にあたっては、複雑な要件を考慮する必要がありました。EUの情報保護法であるGDPR(一般データ保護規則)では、EU域内の個人データについてバックアップを含むすべてのデータをEU域内のデータセンターに保管することが求められているほか、地域によっては一定期間を超えてデータを保持していると訴訟リスクとなる場合もあり、対応しなければならない規制は多岐にわたっています。さらに松井氏は「グローバルでシングルテナント・シングルインスタンスの環境下でMicrosoft 365 を運用していましたが、コンプライアンスの観点から、『Aの地域の会社からBの地域の会社のデータが見えてはいけない』といった、細かい粒度での運用も設定する必要がありました」と説明します。また、事業継続性はもちろん、ランサムウェア対策も重視していました。 

こうした複雑な要件に対応できるツールとして、日本ヒューレット・パッカード社から紹介を受けたのがAvePoint Cloud Backupでした。松井氏は「これこそが最適な選択肢でした」と話します。 

「AvePoint Cloud Backup であれば、Multi-Geo 対応でバックアップデータの保管場所を柔軟に選べますし、データ保持期間を設定することも可能なため、各国の規制に柔軟に対応できます。また他社バックアップツールでは、国・地域ごとの細かい粒度での運用設定機能が当時まだ検討段階だったのに対し、AvePoint では実現可能だったことも決め手の一つになりました。さらに、ランサムウェア検知機能が搭載されていたのもAvePoint の採用を後押ししました」(松井氏)

導入提案時のAvePointの対応についても同社は高く評価しています。梶本氏は、「ツールの選定時にグローバル各国の社員を交えて話をした際、どんな質問にも的確に答えていただいたことは印象的でした。プレゼン内容をはじめ、機能面、費用面でAvePointは他社と比較して優位性があったため、 30以上の国・100社からなる各地域の代表をはじめとした海外のメンバーもAvePoint Cloud Backupの導入に納得し、すぐ導入が決定しました」と振り返ります。 

AvePoint Cloud Backup 画面イメージ

分かりやすいUIで管理者、ユーザー、双方にメリットが 

千原氏は、AvePoint Cloud Backupの導入・運用を経験して、特にUIの分かりやすさにメリットを感じているといいます。 

「まず、導入時のハードルが極めて低いことは非常に嬉しかったです。機能面では『必要なことだけできる』という印象で、過剰な機能もなく、業務を間違えにくいことは大きなメリットでした。また、展開するうえでも、現場ユーザーが迷いにくいデザインになっています。データの復旧を急ぐときも、ユーザー側でデータのリストアができ、業務再開までのリードタイムが短縮できます。結果として管理者の工数が大きく削減されるため、管理者、ユーザー、どちらの目線から見ても優れた製品だと感じています」  

AvePoint Cloud Backupを導入し各国の規制にも柔軟に対応できるコラボレーション基盤が整ったことは、ビジネス上のメリットも大きいと同社は見ています。 

Microsoft 365の拡張は今後もAvePoint製品が有力候補、テナント間移行には「FLY」の活用も 

新たなコラボレーション基盤の整備は一旦完了しましたが、TDKは今後も継続的な改善に取り組んでいく方針です。松井氏は以下のようにコメントしています。 

「Microsoft 365のインフラ整備という観点では、まだ道の途中だと思っています。現在はゼロトラストというテーマでセキュリティ強化のグローバルプロジェクトに着手しています。このような新しいインフラの仕組みを実現するためには、Microsoftの基盤を適切に運用し、必要に応じて拡張していくことが重要です」 

「AvePoint Cloud BackupでUIの使いやすさや導入の容易さを実感できましたので、Microsoft 365の拡張にあたっては今後もAvePoint製品が有力候補になると考えています。今後、他の関係会社とMicrosoft 365を統合しなければならない可能性もありますので、その際はテナント間移行ができる『FLY』を使ってみたいですね」