教育業界における生成AI(Copilot)の導入準備とは?活用例で解説 

Copilotとは、Word、Excel、PowerPoint、Outlookなどのアプリに統合された生成AIのことです。Copilotを導入することで、文章の作成、データの分析、プレゼン資料の作成、メールの整理などを効率的に行うことができます。本記事では、特に教育業界においてCopilotを導入することのメリットとその準備、活用例を解説します。 

教育現場においてCopilotを導入・活用するメリット 

教育現場においては、教員が授業以外の様々な業務を担っていることも多く、長時間労働が常態化している場合も少なくありません。しかし、Copilotを活用することで、多くのルーチンワークを自動化できるため、プライベートの時間の確保や生徒と向き合う時間の確保が可能になります。 

Copilotの活用例 

人にしかできない部分が多い教育業界の業務において、自動化できる部分のイメージがつきにくいと思う方も少なくないでしょう。しかし、 Copilotへのプロンプト( AIへ指示を出すときの文章のこと)を工夫することで、次のような多様な業務を自動化できます。   

  • 授業の準備:「次の授業で使う話題として、トランプ大統領が掲げる政策を要約して下さい。」 
  • 教育資料の作成①:「高校情報Ⅰのネットワークとプロトコルの内容に沿った小テストを10問作って、併せて解説も作成してください。」 
  • 教育資料の作成②:「授業用に作成した資料において、誤字脱字がないか確認してください」 
  • 英作文の指導:「生徒が書いた英作文の文法をチェックし、改善点を指摘してください。」 
  • テスト後の支援①:「情報における小テストの採点をしてください。」 
  • テスト後の支援②:「テスト結果を整理して、優秀な学生をピックアップしてください」 
  • 通常業務の支援①:「参加できなかったWeb会議の要約とタスクを洗い出してください」 
  • 通常業務の支援②:「授業参観の保護者向け案内メールの下書きを作成してください」 
  • その他:「“最後に教室を出る人は電気を消すこと”を案内するイラストを作成してください」 

Copilotエージェントの例 

特定業務に特化した秘書のようなAIを作成できるサービス「 Copilotエージェント」では、次のように、より細かい要求を処理できます 

  • (教員向け)課題管理エージェント:「生徒の課題提出状況を追跡し、提出期限を通知してください。」 
  • (教員向け)出張支援エージェント:「国内出張で静岡県に行くのですが、必要な申請と注意事項を教えてください。」 
  • (学生向け)進学相談エージェント:「XX高校を受験したいのですが、過去の進学実績を教えてください。」 
  • (学生向け)面接相談エージェント:「○○会社を志望しています。志望書を基に面接練習をしてください。また、OBとOGの情報を教えてください」 

生成AI(Copilot)活用準備 3STEP 

ただし、ただCopilotに上記のプロンプトを入れれば望む答えが返ってくるわけではありません。Copilotを効果的に導入するためには、いくつかの準備が必要です。 

STEP 1.データの整理 

Copilotが正確かつ迅速に情報を提供できるようにするために、Copilotの学習用のデータを整理することが重要です。生徒の成績や課題履歴のデータベース化、教育資料のデジタル化を行ったうえで、上記含む関連データのMicrosoft 365環境への集約が必要です。 

STEP 2.「AI活用を行う」という文化の醸成 

データの準備ができたら、次にAI活用が与える価値を認識し、効果的な利用ができる人間側の準備を行うことが重要です。AIに関する研修やワークショップ開催といった組織的な利用の推奨や、事例の共有と交流の促進といった盛り上げる仕組み作りが求められます。 

STEP 3.AIを活用できるシステムの整備 

最後に、AIの活用に向けて効果的な手段が提供される基盤的な準備が求められます。回答品質に問題がないかのモニタリングや、ハルシネーションやAIによる情報漏洩が起きないようにするためのデータガバナンスといった運用の管理・整備が必要となります。 

AvePointができること 

AvePointはMicrosoft 365の様々なアドオンツールを提供しています。データの移行・集約ができるツールや、Microsoft 365やCopilotを安全に活用するための運用管理ツールや効果測定ツールを提供しています。お困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。 

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