【第3回】情報システム部門のホンネ調査:~Microsoft 365運用の「実態」と「理想」とは? ~

第3回:「消えた!」では済まされない…Microsoft 365データ保護の落とし穴

鳥谷

AvePoint 営業担当の鳥谷です。今回は、情報システム部門の皆様が特に不安を感じている「データ損失」と「ランサムウェア対策」について、具体的な調査データと共にお話ししていきます。

登場人物 

佐藤課長(のんびり商社 情報システム部 企画課

国内に5つの支店と3つの海外現法もつ商社の情報システム部門で企画課長を務める。
Microsoft 365運用責任者の一人。せっかちなところを直したいと考えている。

鳥谷AvePoint Japan 株式会社・顧客担当)

AvePoint 入社3年目。Microsoft 365運用管理に関する深い知識と、多くの企業の課題解決に携わってきた経験を持つ


佐藤課長

佐藤です。Microsoft 365を使うようになって、ファイルサーバーをクラウドに移行して便利になった一方で、「データが消えて復元できない」というトラブルが発生したらどうしよう、と常に不安を感じています。
特に最近は、ランサムウェアのニュースも多くて……。

鳥谷

佐藤課長、その不安はまさに多くの企業様が抱えているものです。私どもの調査でも、Microsoft 365のデータ保護の必要性について、全体の3割近く(519社中141社)が「必要性を感じており、バックアップの仕組みの導入を検討している」と回答しています。

*1 出典:AvePoint株式会社「情報システム部門の実態調査」 調査手法:インターネット調査(n=616)  対象者:有職者、20〜69歳、調査業・広告代理業以外
調査委託先:株式会社マクロミル
佐藤課長

思っていた以上に必要性を感じている企業が多いんですね。具体的に、どのようなデータ損失のケースがあるのでしょうか?

鳥谷

はい。実際のデータ損失ケースについて調査したところ、以下のような結果が出ています。

  • Teamsの会話内容Teamsのファイルが「消えて復元できなかった」経験がある企業がそれぞれ38社、26社ありました。
  • 「SharePointのファイルが消えて復元できなかった」は17社、「SharePointの設定内容が戻せなくなった」は27社がと回答しています。
  • 「OneDriveのファイルが消えて復元できなかった」は31社、「Exchangeのメールが消えて復元できなかった」は20社が経験をしています。
  • 特に、退職者が所持していたファイル(個人のOneDriveやメール)が「消えて復元できなかった」経験がある企業は36社と、従業員のライフサイクル管理におけるデータ保護の重要性が浮き彫りになっています。

また、データ保護が必要だと感じる理由としては、以下が上位に挙げられました。

  • 「ユーザーのリテラシーが低く、誤操作が不安なため」
  • 「BCP(事業継続性)対策のため」
  • 「ISMS(ISO 27001:2022)などのセキュリティガイドラインへの準拠のため」

そして、特に顕著だったのが「ランサムウェア対策」で、405社中58社が「とてもそう思う」と回答し、次いで125社が「そう思う」と回答しています。

佐藤課長

やはりランサムウェアは最大の懸念ですよね。
Microsoft 365にも標準のバックアップ機能はあると思いますが、それだけでは不十分なのでしょうか?

鳥谷

残念ながら、Microsoft 365などの主要クラウドサービスが提供する標準機能だけでは、長期的なデータ保持や柔軟な復元には限界があります。主な限界は以下の3点です。

データ保持期間が短い

標準機能では数日~数ヶ月と短く、長期的なデータ保持や監査対応が難しい。

ランサムウェアからの完全復旧が難しい

大規模な攻撃や広範囲の損害からの復元が困難で、業務停止が長期化するリスクがあります。

細かな単位で復元できない

部分的なデータ復元や、アイテム単位・バージョン単位でのロールバックが難しく、復旧作業に手間がかかります。

佐藤課長

そうなんですね……。いざという時に困らないよう、しっかりと対策を講じる必要がありますね。

鳥谷

その通りです。
そこで私どもがご提案するのが、AvePointのCloud Backupシリーズです。
これはMicrosoft 365だけでなく、SalesforceやGoogle Workspaceなど主要なクラウドサービスに幅広く対応し、容量無制限の自動バックアップと高度な復元機能を提供します。
最大1日4回の自動バックアップや、アイテム単位・バージョン単位での細かな復元、さらにはランサムウェアの検知と感染前への迅速な復元も可能です。

佐藤課長

それは心強いですね。
データ保護ができていないと、安心してMicrosoft 365を活用できませんから。

鳥谷

はい。
データ保護は、安全なコラボレーション環境を実現するための基盤です。

次回予告

鳥谷

次回の最終回では、これまでに議論したすべての課題を踏まえ、AvePointがどのようにMicrosoft 365運用の「自動化」を支援し、情報システム部門の皆様の負担を軽減し、企業のDXを加速させるのか、その全体像をご紹介いたします。

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