
第1回:情報システム部門は「超人」じゃない!?

本連載では、Microsoft 365を効果的かつ安全に活用するために不可欠な「運用管理」に焦点を当てます。
多くの企業の情報システム部門が直面している「限られたリソースの中での膨大な業務」という課題、そして「人手を介した運用の限界」を、最新の調査データと共にご紹介します。
登場人物

佐藤課長(のんびり商社 情報システム部 企画課 )
国内に5つの支店と3つの海外現法もつ商社の情報システム部門で企画課長を務める。
Microsoft 365運用責任者の一人。せっかちなところを直したいと考えている。

鳥谷(AvePoint Japan 株式会社・顧客担当)
AvePoint 入社3年目。Microsoft 365運用管理に関する深い知識と、多くの企業の課題解決に携わってきた経験を持つ

佐藤です。鳥谷さん、最近どうも肩身が狭くて…。

佐藤課長、どうかされました?

3年前にMicrosoft 365を導入して「もっと便利に、もっと安全に」なったはずが、日々の運用管理に追われて、社員からは「情報システム部門に聞いてもなかなか返事が来ない」なんて声も聞こえてくるんです。
役員からは「うちの会社のDXはどうなっているんだ」なんて、名指しで質問されました。
正直、人が足りなくて手が回らないんですよ……。

佐藤課長、まさにそのお悩み、御社だけの問題ではありませんよ。

えっ!?

AvePointが2025年3月に実施した情報システム部門の実態調査*1で、多くの企業様から共通の声として挙がっていますよ。
実は、情報システム部門の皆様は、皆様が思っている以上に多岐にわたる業務を、限られた人数でこなしていらっしゃるんです。
*1 出典:AvePoint株式会社「情報システム部門の実態調査」
調査手法:インターネット調査(n=616)
対象者:有職者、20〜69歳、調査業・広告代理業以外
調査委託先:株式会社マクロミル

そうなんですか!例えば、どのくらいの人数で、どれくらいの業務を…?

はい、調査結果を見てみましょう。
例えば、従業員数1000名の企業では、情報システム部門の人数は平均で12名と最も回答数が多く、この12名で、業務システム全般の運用・保守、インフラ基盤、アカウント管理、情報セキュリティ、ガバナンス・コンプライアンス対応、データ監視・バックアップ、ユーザー教育、ユーザーサポートなど、実に平均12業務もの業務を担当していることが分かりました。
専任者を配置することも難しく、一人につき、2.8業務を兼務していることも分かりました。これは、単純に手が足りていない、という状況を示していますよね。

1人で約3つもの業務を兼任しているとは……。
うちも似たような状況なので、共感しかないです。
特にMicrosoft 365は、今やうちの会社にとって欠かせない基盤なので、情報システム部門の業務は増える一方ですし……。

おっしゃる通りです。
Microsoft 365の運用管理に携わっている人数も調査しました。
例えば、従業員数1,000名の企業では平均5名、8,000名の企業でも平均10名が関わっています。
そして、組織全体でMicrosoft 365の運用管理に費やしている1日あたりの平均時間は、従業員規模に関わらず約4.6時間にも上ります。これだけの時間を毎日割いているということは、他の業務を圧迫している可能性が高いですよね。

なるほど……。他の会社では、どんな運用タスクをやっているんですか?

Microsoft 365の運用は、アカウント管理からライセンス管理、セキュリティ管理、データ管理、SharePointやTeamsのサイト・チーム作成、権限管理、ヘルプデスク、ユーザー教育、さらにはMicrosoft 365の仕様変更対応まで、本当に幅広いんです。
しかも、これらの多くを情報システム部門で担当していると回答した企業が多数派なんですよ。

うちも現場部門や外部ベンダーに任せられるところは任せているけど、監督責任やコストの問題で、うちの部署でやっているタスクが多いな……。

その現状は、まさに今回の調査で浮き彫りになった課題そのものです。
多くの情報システム部門が、これらの複雑な運用管理タスクを手作業で、しかも限られたリソースの中でこなそうとしています。これが、Microsoft 365を最大限に活用しきれない、というお悩みに繋がっているんです。

そうですね……。このままではいつか破綻してしまいそうです。何か良い解決策はないものでしょうか?

佐藤課長、ご安心ください。まさにその「人手に頼る運用」の限界を乗り越え、Microsoft 365を「もっと便利に、もっと安全に」活用するための「仕組み」こそが、私どもAvePointが提供する製品群、「AvePoint Online Services」なんです。
次回予告

次回の連載では、この「人手不足」が引き起こす、より深刻な「情報漏えいリスク」や「ワークスペースの乱立」といったガバナンスの課題について、さらに詳しく調査結果を掘り下げていきたいと思います。
ご期待ください!