
「膨大な情報や機密情報を抱え、重要な意思決定をサポートするビジネスプロデューサーにとって、Microsoft 365のバックアップやログがしっかり取れており、活用しやすい状態になっているというのは安心して働ける条件の一つです。そうした観点で、従業員満足度は向上しているのではないかと感じています。AvePoint 製品の導入効果には満足しており、現在はEntra IDの管理ツールなど、他のMicrosoft 365運用管理ソリューションの提案をTOSYS様から受けているところです。導入済みの製品を含めて、AvePoint製品の今後の機能追加にも期待をしています。」
この事例のポイント
- Microsoft 標準機能ではデータ保持期間が不足していたが、無期限・容量無制限のAvePoint Cloud Backupで過去データも参照できるようになり、業務効率や顧客からの信頼度が向上
- AvePoint Cloud Managementの導入で、監査ログ保管環境が万全に
- Opusを導入したことで、SharePointの容量を整理する作業が不要に。年間100時間の作業時間削減と、SharePoint 容量の60%削減を実現し、大幅な経費の削減につながった
コンサルティング事業を中心に、官民問わず事業の成長を幅広く支援するドリームインキュベータ
東京都千代田区に本社を置く株式会社ドリームインキュベータ(以下、ドリームインキュベータ)は、「社会を変える 事業を創る。」をミッションとし2000年に創業。大手企業の成長戦略策定や新規事業開発におけるコンサルティングのほか、テクノロジーを活用した事業増幅の支援といったビジネスプロデュースを行う戦略コンサルティングファームです。さらに、官民連携や産業横断的なプロジェクトを通じた新たな産業や社会的価値の創出にも取り組んでいます。
クラウド化を目指して2015年にOffice 365を導入、TOSYSの支援によりフルクラウド化を推進
ドリームインキュベータでは、業務システムのクラウド化に早くから取り組んでおり、2015年にOffice 365の利用を開始しました。まずはメール機能からOffice 365の利用を始め、その後、オンプレミスの文書管理システムをSharePointへ移行するなど、株式会社TOSYSの支援を受けながら、フルクラウド化に向けた環境整備を着実に進めてきました。TOSYSはMicrosoftの有力パートナーとして、AvePoint製品なども活用しながらMicrosoft製品のマネージドサービスを提供しています。
Office 365や後継のMicrosoft 365で随時追加されてきた新たな機能も、積極的に活用してきた経緯があります。ドリームインキュベータ総務グループ マネジャーの 久保添 健太郎 氏は、「Teamsは(2017年の)サービスリリースからすぐに使い始めました。企業ソーシャルネットワークのYammer(現Viva Engage)も既に使っていたことから、コミュニケーション/コラボレーションツールのメリットは多くの社員が理解しており、問題なく社内に浸透しました」と振り返ります。
AvePoint 製品での無期限バックアップにより顧客からの信頼を強化、過去データへのアクセスも可能になり生産性も向上
Microsoft 365の利用・運用は順調に進み、今では200名ほどのユーザーが利用しており、SharePointのサイト数は1,300に上ります。そうした中で、新たな課題も顕在化してきました。
「日々巧妙化するサイバー攻撃等による情報漏洩や操業停止など、事業そのものの継続に支障をきたすリスクが高まっており、情報セキュリティ管理は企業の最重要課題となっています。我々の場合、取引先の機密情報に触れる機会が多いため 、取引先から情報セキュリティガイドラインを提示されることや、Microsoftのサービスに不測の事態があった際のバックアップやセキュリティ対策に関する事前確認を受けることが増えてきました。そうした課題への対策として、TOSYS様から AvePoint Cloud Backup を採用した『マネージドバックアップサービス』の紹介を受けました。」(久保添氏)
Microsoftは、同社サービスに中断や停止が発生し得ることや、その結果生じた損失について責任を負わないことをサービス規約に明記しています。その上で、Microsoftを利用する企業の責任でデータをバックアップすることを推奨しています。ドリームインキュベータにとっては、顧客からの信頼を強化するためにも、Microsoft 365のバックアップ環境を整えることは必須だったといいます。
並行して、社内からもMicrosoft 365のバックアップに関するリクエストが上がっていました。Microsoftの標準機能では、退職者のアカウントが消えると、退職者のデータは90日間で消えてしまいます。これらのデータを活用できるようにするためにも新たなバックアップソリューションの導入は必須であり、最終的にAvePoint Cloud Backupの採用に至りました。

「AvePoint Cloud Backup 導入後は、『退職者が持っていたデータを見たい』、『誤って削除してしまったデータをもう一度見たい』といったリクエストにも柔軟に対応できるようになりました。従来、誤って消してしまったデータについては、ゴミ箱での保持期間(90日)を過ぎると復元は諦めてもらうしかありませんでした。しかし、退職者のデータが必要になることが多く、Microsoftの標準機能で提供される保存期間では不十分でした。コンサルティングという業務の特性上、以前に使った資料の型を参照することもあり従業員の生産性が向上したと考えています。」(久保添氏)
製品選定にあたっては、他社バックアップ製品とも比較しましたが、「Teamsチャットのバックアップが標準搭載されていたこと」がAvePoint Cloud Backupを選択した決め手になったと久保添氏は話します。
「Teamsチャットのバックアップは主に監査で必要となる機能でした。選定当時、他社ツールではTeamsチャットのバックアップは従量課金で、コストがかさむ懸念がありました。そうしたことを考慮して、Teamsチャットの無制限のバックアップも標準搭載されている AvePoint Cloud Backup に軍配が上がりました。」(久保添氏)
AvePoint Cloud Managementの併用で、10年後もログを参照できる安心感
監査に備えてログを残しておくことも重要です。Microsoftの標準機能では監査ログの保管期限は180日となっていますが、重要な情報を扱う業界においては標準機能におけるログの保持期間は不足しています。
「退職者のログを保持するためには退職者のアカウントを残しておく必要がありました。 スムーズに保管できないかと考えていたところ、TOSYS様より、SharePointやMicrosoft 365テナント全体の監査ログなどを取得できるデータ運用管理ツールとしてAvePoint Cloud Managementを紹介していただきました。AvePoint Cloud Backupの導入を通してAvePoint製品の有用性を認識していたので、導入を決めました。」(久保添氏)
AvePoint Cloud Management導入前は、標準機能の画面のUIが見づらく感じていたために、そもそもログのページに到達するまでに時間がかかり、ログも難解で見づらいと感じていたといいます。
「導入後にはUIがわかりやすくなり、ログを見る時間が減りました。5年後・10年後に過去のログを出してほしいと言われても対応できるのは安心感がありますね」と久保添氏は手応えを話す。
Opusの導入で年間100時間以上の作業時間を削減、SharePointのデータ容量も60%削減
業務システムのフルクラウド化に向けて文書管理システムとして利用を開始したSharePointの運用でも、新たな課題が発生していました。ドリームインキュベータでは、ビジネスプロデューサー(コンサルタント)がプロジェクト単位でサイトを作っており、提案資料や調査資料を格納しています。しかし、社員数が倍になり、事業が急速に拡大。データも一気に増加しました。
「バージョン履歴のデータが膨大な量になり、容量を圧迫していました。数か月ごとにExtra File Storage を追加購入している状況でした。」(久保添氏)
そこで同社は、SharePointの不要なデータや重複したデータを可視化し、自動アーカイブするOpusを導入。年間で100時間以上の作業時間を削減しました。
「導入前は、古いファイルのバージョン履歴を消すために、週に2回、ひどいときは毎日、1時間程かけてSharePoint管理センターからログを抽出して確認していました。Opusを導入してから、データが増えた箇所の確認や、手動でデータを消す作業が不要になりました。また、バックアップデータをアーカイブ して、7.5TBほどあったデータを3TBまで削減できました。60%近くスリム化したことで、次の更新時期にはExtra File Storageを減らして大幅に経費を削減できると見込んでいます。」(久保添氏)
従業員満足度の観点でもAvePoint製品が貢献
AvePoint製品はMicrosoft 365の運用において幅広いメリットをもたらしましたが、従業員満足度の点でも貢献していると久保添氏は語ります。
「膨大な情報や機密情報を抱え、重要な意思決定をサポートするビジネスプロデューサーにとって、Microsoft 365のバックアップやログがしっかり取れており、活用しやすい状態になっているというのは安心して働ける条件の一つです。そうした観点で、従業員満足度は向上しているのではないかと感じています。AvePoint 製品の導入効果には満足しており、現在はEntra IDの管理ツールなど、他のMicrosoft 365運用管理ソリューションの提案をTOSYS様から受けているところです。導入済みの製品を含めて、AvePoint製品の今後の機能追加にも期待をしています。」
