
この事例のポイント
- Copilot を含むMicrosoft 365を全社で積極利用する中、利用状況の把握が課題に
- tyGraph 導入により、Microsoft 365 Copilotの活用状況やViva Engage の投稿閲覧傾向等を可視化、利用率向上と情報システム部の運用負荷軽減を実現
- 今後は社内におけるtyGraph レポート利用のさらなる拡大や、外販ビジネスへの展開も視野に
マイクロソフト製品に強みを持つ独立系クラウドインテグレーター 「日本ビジネスシステムズ」

日本ビジネスシステムズ株式会社(以下、JBS) は、1990 年設立の独立系クラウドインテグレーターです。「優れたテクノロジーを、親しみやすく」という企業理念のもと、国内大手企業を主要顧客としてDX 支援などに注力しています。
2022 年8 月には東証スタンダード市場に、2025 年9 月にはプライム市場に上場しました。
特にマイクロソフトパートナーとしての豊富な知見・技術と実績が強みで、Microsoft Partner of the Year を12 年連続で受賞。ライセンス販売、導入から保守、運用、まで網羅的なサービスを提供しています。
全社でのMicrosoft 365活用をさらに最適化するために
JBS では、約3,000 人の従業員がMicrosoft 365 を日常業務に利用しています。2024 年3 月には全社員分の「Copilot for Microsoft 365」ライセンスを購入し、マイクロソフトのトップパートナーとして先進的な取り組みを進めています。
ただし、運用面では課題もあったといいます。コーポレート戦略本部 情報システム部長 増田 哲也 氏は次のように説明します。
「社員向けにMicrosoft 365 のさまざまな機能を提供してきましたが、その利用状況を十分に把握しきれていない状況でした。私たちの環境にはより効果的な運用や最適化の余地があり、そのためには『見える化』が必要だと感じていました」
そんな中、AvePoint のイベントでMicrosoft 365 利活用状況分析ツール「tyGraph」を知り、導入を検討することになります。
tyGraph導入の決め手は“視覚的な分かりやすさ” と“安心感”
tyGraph は、Teams やOneDrive、Copilot などMicrosoft 365 の各種サービスの利用状況を多角的に分析できるツールです。増田氏は同製品に多くのメリットを感じたといいます。
「レポートが視覚的に分かりやすかったことに加え、概要の表示だけでなく部署やユーザーごとにドリルダウンして詳細を確認できるのが便利だと感じました。また、操作や閲覧が“されなかった”ユーザーを把握できる点も魅力でした。慣れ親しんだAvePoint 製品という安心感もあり、導入を決めました」
導入決定後は、デモデータでの検証を経て、実データを活用してシナリオを設計。現在は、Microsoft 365 全体の利用状況を可視化する「tyGraph Pulse」、Copilot の活用状況を可視化する「tyGraph for Copilot Adoption」、OneDrive 利用状況を確認できる「tyGraph for OneDrive」、Viva Engage 内でのコミュニケーション状況やエンゲージメントを分析する「tyGraph for Viva Engage」の四つのレポートを活用しています。

Microsoft 365 Copilot の社内利用率は9割に到達
JBS はtyGraph 導入による幅広い効果を実感しているといいます。コーポレート戦略本部 情報システム部 IT インキュベーション課 主任 尾形 里奈 氏はPC リプレイス時のデータ移行の効率化とセキュリティの向上につながっていると強調します。
「tyGraph for OneDrive を活用して、OneDrive の利用が少ないPC リプレイス対象ユーザーに、利用促進アナウンスを行うようになりました。これにより、ユーザーに事前にデータ移行を実施してもらい、リプレイス完了までの期間を短くすることができました。それまでは、データ移行を理由にリプレイス時の対応が遅くなったり、端末受け取り/ 返却で二度対応が必要になったりすることも多かったのですが、端末受け取り/ 返却を一度でできるようになり、ユーザーも管理者も対応の手間が省けました。加えて、端末のローカルにファイルを保管することがなくなるため、セキュリティ向上にも繋がりました」
さらに、tyGraph for Viva Engage は、Viva Engage での情報システム部門からの情報発信最適化や、問い合わせ対応減に繋がっているといいます。尾形氏は以下のように付け加えます。
「レポートを参照しながら、部門から発信する内容の工夫をするようになりました。以前よりも読まれているユーザー数、リアクション数、コメント数が増えていることが確認できていますし、何よりも、個別の問い合わせが減ったため、管理者の運用負荷が減りました。ユーザー側からも『興味のある記事が増えた』という嬉しいフィードバックをもらっています。社内コミュニケーションの活性化にtyGraph のレポートが役立っている実感があります」
また、JBS では全正社員がMicrosoft 365 Copilot のライセンスを保有しており、それらの利用状況の可視化と利用率の向上という点でもtyGraph は貢献しています。
「JBS では全社でのMicrosoft 365 Copilot の利用に加えて、お客様のCopilot 活用を支援する多様なサービスもラインアップしています。tyGraph Copilot for Microsoft 365は、そういったサービス企画を担う事業部門にも共有しており、社内でのMicrosoft 365 Copilot 利活用促進に加え、お客様向けのサービスラインアップ拡充の一助にもなっていると感じています。社内では、ハッカソンや『こぱらじ』という最新情報を提供する場を設けるなど、Copilot の浸透に尽力してきました。その結果、Copilot の社内利用率は9 割に上ります」(増田氏)

社内活用のさらなる拡大、外販ビジネスの成長にも寄与
JBS では今後、tyGraph の活用範囲を社内で拡大するとともに、事業部門とも連携して顧客向けサービスのさらなる拡充にもつなげたい意向です。増田氏は以下のように展望を語ります。
「社内では、ポータルサイト閲覧傾向の分析、Viva Engage 内でのコミュニティ形成促進と活性化、プロジェクトマネジメント部門によるTeams チームの利用状況確認、センチメントスコアの分析などにもtyGraph が活用できるのではと考えています。さらにJBS では、AvePoint 様との協業で展開している『Microsoft 365 Copilot 向け e ラーニングサービス』をはじめ、さまざまなMicrosoft 365 のCopilot 支援サービスを用意しており、tyGraph を活用したサービス拡張などについても事業部門とディスカッションをはじめています。今回のtyGraph 導入は、私たちの外販ビジネスの拡大にも寄与すると確信しています」