「脱PPAP」と「シャドーIT」を同時に解決。大手前学園がMicrosoft 365の“安全な出口”にDenshoBakoを選んだ理由

大手前学園情報メディアセンター 様

対象のサービス
Google Workspace
Microsoft 365
企業規模
〜500名
対象の業界
教育
抱えている課題
セキュリティを強化したい
製品・サービス
DenshoBako
  • 約120名の講師への郵送コストを100%削減し、教育支援への時間を創出
  • 10ライセンスからの柔軟な契約で、スモールスタートと迅速な実務投入を両立
  • シャドーITのリスクを排除し、脱PPAPと安全な外部共有を整備

建学の精神「STUDY FOR LIFE」を旗印に新たな学びを創出

大手前大学と大手前短期大学を運営する学校法人大手前学園は、終戦直後の1946年に創立され、2026年に80周年を迎えました。これまでに5万人以上の人材を社会に輩出しています。

建学の精神である「STUDY FOR LIFE」を旗印に、時代の変化や社会ニーズに応じた新たな学びの創出に注力しており、近年では、グローバル化や高齢化社会に対応するために、大学に国際看護学部と経営学部、短期大学に歯科衛生学科と医療事務総合学科を新設しています。
さらに、新校舎建設による教育環境の充実を図っているほか、先駆的なインターネットを活用した通信制大学の拡大にも力を入れています。

ICTの先進ユーザーである大手前学園―Microsoft 365に基盤を集約し業務効率化と教育の質の向上へ

大手前学園では、2027年度の情報学部(仮称・設置認可申請中)の開設を見据え、インフラ・ネットワークの再整備と全学的なDXを加速させています。2022年後半からは「DX推進室」「教育改革推進本部」などの専門部署や専任教職員を配置せず、各部署でICT活用に前向きに取り組む人材である「DX推進担当者」を配置する体制を始動。情報メディアセンターがDX推進担当者を支援し、現場の声を吸い上げ、ボトムアップでのシステム改修やリテラシー向上を組織全体で進めています。
大手前大学 経営学部教授・情報メディアセンター センター長補佐 伊勢 氏は、同学園のICT活用の水準とDX推進の現状について次のように説明します。

「私はこれまで複数の大学で情報系の教育に携わってきましたが、本学のICT活用の先進性は際立っていると感じています。先日開催したLMS(学習管理システム)に関するFD(ファカルティ・ディベロップメント、教育改善)活動にも非常に多くの教員が参加するなど、長年運用されているシステムであっても、より良い教育のために活用法を追求し続ける文化もあります」

学生と教職員のコミュニケーションにおいてはTeamsの活用などが進んでおり、学生側にもICTが浸透しています。大手前短期大学 ライフデザイン総合学科教授 情報メディアセンター センター長 教務部長補佐 佐々木 氏は、その背景をこう明かします。

「本学は『実学』を掲げ、学生の主体性を重んじています。ITサポートデスクの運営やeラーニング動画の制作などは、学生スタッフが自ら行っているのも大きな特徴です」

これまで同学園では、Google WorkspaceとMicrosoft 365を併用してきましたが、さらなる業務効率化と教育の質の向上を目指し、プラットフォームをMicrosoft 365へと一本化する方針を固めました。学校法人大手前学園 情報メディアセンター 課長代理 田中 氏は、その狙いを次のように語ります。

「実学的な教育という観点から、学生が卒業後に社会で即戦力として活躍するためには、多くの企業で標準採用されているMicrosoft製品に習熟していることが学生にとって有利になると考えました。さらに、生成AI(Copilot)への期待も高まる中、業務の安全性確保と教育効果の最大化を高度に両立できる基盤として、Microsoft 365を評価しました」

シャドーITのリスクと「脱PPAP」への対応。現場のニーズを網羅する“安全な出口”の模索

大手前学園では、Microsoft 365への集約を進める一方で、標準機能だけでは解決しづらい課題が浮き彫りになっていました。田中氏は次のように説明します。

「本学ではセキュリティを最優先し、OneDriveやSharePointの外部共有機能を制限しています。しかし、コロナ禍を経て、『企業や地域と連携した動画制作プロジェクトで大容量の動画を送付したい』『機密性のある研究データをやり取りしたい』といったニーズが急増してきていました。
同時に、世間では派手なバナー広告に囲まれた大容量転送サービスや、ブラウザ上で手軽に使えるPDF編集ツールなどの利用が急速に広がっており、学内でも管理の及ばない範囲でこうしたツールが常用されてしまうのではないかという不安がありました。
セキュリティリスクを抑えつつ、利便性を損なわない『公式の仕組み』としての提供・整理を進めていかなければいけないという課題意識がありました」

さらに、2020年に政府により廃止が宣言され、2022年には複数の大手企業も受信拒否へと転換した「PPAP」に関しても、産学連携授業が増加し、教員や学生が外部企業とメールで連絡を取ることが増加する中で対応を急いでいたといいます。

こうした背景から、大手前学園は新たなファイル共有ツールの検討を開始。
これらの複雑なニーズを網羅し、学内のセキュリティポリシーを維持したまま「安全なデータの出口」を確保できるソリューションとして浮上したのが、AvePointのDenshoBakoでした。

「Google Drive等で有効期限の設定などを手動で行う検証もしましたが、ユーザーによる設定ミスが避けられず、一般ユーザーに展開するには運用負荷とリスクが高いと判断しました。そんな中、2023年7月にAvePoint社が開催した製品リリース直後のウェビナーに参加したことがきっかけでDenshoBakoの存在を知りました」(田中氏)

柔軟なライセンス体系が決め手で「DenshoBako」を採用。120人分の郵送・事務コストと工数を削減

田中氏はDenshoBakoの選定理由について、「少ないライセンス数から購入できるというのは魅力的でした」と振り返ります。

「他社製品の多くが『全教職員分』などといった制約を設けている中で、AvePointはより小規模な単位から柔軟に契約が可能でした。まずは特定の部署からスモールスタートし、検証しながら拡大していきたいという本学の運用方針に合致していたことは、大きな決め手の一つになりました」(田中氏)

導入決定から運用開始までは極めてスピーディーに進み、2023年10月の採択からほどなくして実務への投入が完了。DenshoBakoは導入してすぐに使いこなせる直感的なUIを備えていることもあり、早くも翌11月の学内業務のあり方を劇的に変化させました。田中氏は、導入後の具体的な成果について次のように語ります。

「毎年11月に発生している、通信教育課程における事務負担の圧倒的な軽減が実現できました。
これまでは約120人の非常勤講師に対し、委嘱状や厚い解説冊子、契約書類を手作業で封入し、レターパック等で郵送していました。
郵送コストもさることながら、担当者1名にかかる物理的な作業時間は膨大でしたが、DenshoBakoによりこれらをすべてセキュアなURL共有に置き換えたことで、郵送費を100%削減でき、封入・発送・返信管理に要していた工数も劇的に削減されました

資料をまとめて共有できる「まとめて共有」機能イメージ画面

さらに田中氏は、リスク管理における対応力の向上効果も顕著だと説明します。

「誤ってデータを共有するなど情報漏洩の事故が発生した場合、無料のツールではコントロールがしづらく、責任の所在の明確化や経緯説明に必要な情報の取得も難しいことが多いです。しかしDenshoBakoであれば共有を停止でき、ログも残るため、説明責任が果たせる状況になりました」(田中氏)

送信ログ確認画面

また、情報リテラシー教育を牽引し、2027年度に新設される予定の情報学部の立ち上げにも関わる伊勢氏は、ICT教育の専門家としての視点から導入の意義を強調します。

「教育機関として、出所不明のフリーツールやWeb上の無料変換サービスを安易に利用することには慎重であるべきだと考えています。利便性の一方で、セキュリティ面や信頼性のリスクも否定できません。
学生にITを教える立場として、教職員一人ひとりが『そのツールを使って本当に大丈夫か』という意識を常に頭の片隅に置き、ブレーキをかける姿勢が重要です。
今回、信頼できるインフラの上で構築されたDenshoBakoを導入したことは、教育現場としての情報管理の姿勢を示すことにも繋がると感じています」

定型業務をデジタル化し、「学生への手厚いケア」へ。大手前学園が描くDXの真価

DenshoBakoの導入により、長年の課題であったアナログな事務作業とセキュリティリスクの解消に大きな一歩を踏み出した大手前学園。
田中氏は、今後の展望とDenshoBakoへの評価について次のように語ります。

「現在はスモールスタートですが、今後はライセンス数を段階的に増やしていく予定です。
DenshoBakoは、他社製品と比較しても操作が直感的でわかりやすいので、ユーザビリティの観点からも学内の合意形成が非常にスムーズだと感じています。
また、トライアル期間中に要望した『有効期限の表示改善』が、即座にアップデートに反映されたことにも驚きました。
こうしたAvePointのアジャイルな開発姿勢と、現場ニーズを汲み取る安心のサポート体制も信頼の一つです」

今回の効率化で生まれた「時間」は、学園の核心である教育支援へと再投資されます。
大手前学園 情報メディアセンター 課長の西尾氏は、「DXの真の目的」を実現したいと強調します。

「約120人分の郵送・管理工数削減により空いた時間で、担当者は次年度の改善企画など、より創造的な業務に注力できるようになりました。
今回削減できた業務のような定型的なサポートをデジタル化・効率化し、そこで創出した時間を、『個別フォローが必要な学生』への手厚いケアに充てていきたいと考えています。
今後は、入学前から卒業後までのデータを活用したデータドリブンの学生支援を加速させ、一人ひとりの成長に寄り添う教育の質をさらに高めていきたいと考えています」