本日は Ignite 現地レポートの第2弾として、当社 AvePoint が会場でリリースした新製品をご紹介します。
多くのメディアで2025年は「エージェント元年」であるとされていました。
実際、昨年の Ignite の基調講演の中で CEO の Satya Nadella 氏は「Building an Agentic World(エージェント化する世界を作る)」と宣言しています。
みなさまの中にも、SharePoint Agent や Copilot Studio を用いて、Microsoft 365 でエージェントを作ってみた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし、多くの企業ではそれが検証段階段階を超えることができていません。現地レポートの第一弾でも触れたように、今年は Microsoft 自身も「AIの利用が思ったように進んでいない現実」を認めています。
この背景には多くの要素がありますが、その一つにユーザーが作成するエージェントを管理するガバナンス体制や運用ポリシーが確立していないというものがあります。
特にリスク回避を重んじる日本企業では、「ユーザーに自由に作らせる」ということに対して懸念を感じる企業が多いのではないでしょうか(余談ですが、Power Platform による市民開発の展開でも同じ懸念が見られています)。
そこで AvePoint はエージェント管理に特化した製品 AgentPulse (「エージェント・パルス」と読みます)をリリースしました。
AvePoint、新ソリューション「AvePoint AgentPulse Command Center」を発表
エージェントの作成状況を「見える化」

先進的な組織では、すでに何千ものエージェントが裏側で働いています。
Copilot Studio、Azure AI Foundry、サードパーティ製アプリなど、出どころはさまざまです。
それぞれデータに接続し、システムと連携して結果を生み出している一方で、多くは IT やセキュリティチームの「視界に入っていない」のが現状です。
AgentPulse は、環境内のすべてのエージェントを自動で見つけ、特定し、マッピングしてくれるので、エージェント全体像が一気にクリアになります。
対応環境は以下のようなものが例として挙げられます。
- Microsoft 365(Copilot Studio、パーソナルエージェント、チャットエージェント など)
- SharePoint
- Azure AI Foundry
- ISV ストア
それぞれのエージェントは「誰が作ったか」「最後に使われた日」「触れるデータ」「使われる目的」といったメタデータが付与されます。
これにより、「価値のあるエージェント」「リスク要因になるエージェント」「そろそろ廃止していいもの」がすぐに判断できます

「監視」から「主体的なコントロール」へ
AIやエージェントを利用して業務改善を行うには、ガバナンスへの配慮が欠かせません。
AgentPulse を使うことで、ユーザーやデータ、ワークスペースを管理するのと同じように、AI エージェントもきちんと管理できるようになります。
主な機能は以下の通りです:
- ライフサイクル自動化:作成〜アーカイブまでまとめて管理
- コンテキスト管理:目的、データソース、承認状況を追跡
- ポリシー準拠:レビューや更新、無効化を自動で実行
- コスト最適化:不要・重複エージェントを把握
結果として、コンプライアンスリスクは下がり、IT チームは余計な繰り返し作業から解放されます。
AI 活用が進むにつれて、「実験レベルのPoC」が、「スケール可能な運用」へと進化していきます。
「ビジネスコンテキスト」と合わせて理解する
ただ情報が見られるだけでは意味がありません。
AgentPulse の強みは、エージェントに関するデータに「意味」を加え、顕在化した問題を解決するための実際のアクションにつなげられる点です。
単に数やカテゴリを整理して表示するだけではなく、
- アクセス権
- アクティビティ
- 利用目的
- ビジネスへの貢献
といった技術情報とビジネス情報をセットで理解できるようになります。
加えて、これらは自己申告ではなく実際の環境から取得するため、正確で信頼度が高くなっています。
どのエージェントが価値を生んでいて、どれがリスクを増やしているのかを定量的に可視化します。

「エージェント時代のガバナンスモデル」を提示
今年 AvePoint が実施したレポートでは、AI を導入している組織の 75% が過去 1 年でデータ侵害を経験しています。
Gartner も、2027 年までに AI エージェントの 40% がリスク管理不足で廃止されると予測しています。
これは「イノベーション不足」ではなく、「ガバナンス不足」であることを示しています。
AgentPulse は、AvePoint が長年実証してきたガバナンスモデルを AI エージェント領域に拡張し、「エージェントをもっと便利に、もっと安全に」活用できる環境を提供します。
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