
近年、地方自治体ではデジタル化の流れが加速し、業務の効率化と住民サービスの質の向上が重要な課題となっています。こうした背景のもと、多くの自治体がMicrosoft 365を活用し、自治体DXの推進に取り組んでいます。
自治体が抱える課題
地方自治体が直面している課題は
- 少子高齢化
- 景気低迷
- 人口減少
といった社会情勢の変化による行政改革の必要性です。
これらの課題解決のため、多くの自治体がデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、業務効率化、生産性の向上を目指しています。ここで用いられるITツールの代表例として、Microsoft 365があります。
Microsoft 365とは?ライセンス種別とおすすめプラン
Microsoft 365は、Word、Excel、PowerPointをはじめとする多様なアプリケーションを統合した、サブスクリプション型のクラウドサービスです。定額制で常に最新の機能を利用できるため、自治体業務のDXを支える基盤として注目されています。
従来のOfficeとは異なる点として、 Microsoft 365には、ライセンスの種類が多岐にわたることが挙げられます。
自治体ではMicrosoft 365 Enterprise(E3/E5)が選ばれることが多い
特にDXを検討する自治体においては、「Business Standard」や「E3」「E5」が選定されることが多くなっています。
地方自治体でMicrosoft 365 Enterprise (E3/E5) が選ばれる理由として、TeamsやSharePointの導入により、従来のIT環境を大きく改善できることが挙げられます。これにより、テレワークをはじめとした働き方改革や行政DXに繋がります。
また、社内のITツールをMicrosoft 365に集約することで、管理工数の削減やITコストの一元化を実現できます。

Microsoft 365による自治体DXの例
Microsoft 365を導入し、SharePoint、OneDriveなどを活用することで、さまざまな形で業務効率化が進みます。例えば、どこでも同じ情報にアクセスできることで、災害対応やライフイベントでのテレワークといった働き方改革や、ゲスト招待機能による社外コラボレーションの活性化が実現します。
事例1:生産性の向上
クラウドを活用することで今までの働き方が大きく変化し、業務効率化や生産性の向上、行政業務の価値創出につながっています。

事例2:災害対応の効率化
日本は災害大国と呼ばれる通り、地震や台風、大雪などの影響を大きく受ける国です。災害時における自治体の役割は極めて重要であり、住民や地域企業にとっても欠かせない存在です。クラウドを活用すれば、この災害時の業務も効率化や対応スピードの向上に繋がり、住民や近隣企業からの信頼も厚くなります。

Microsoft 365 導入検討時の注意点2選
Microsoft 365は自治体業務の効率化に大きく貢献する一方で、導入にあたっては特有の制約や検討すべきポイントも存在します。ここでは、自治体が導入を進める上で特に注意すべき2つの観点をご紹介します。
1.ネットワークモデル
自治体独自のネットワークモデル(三層分離)が存在し、TeamsやSharePointを利用する際には注意が必要です。αモデルの自治体様では、これらのクラウドサービスを利用するためには、ローカルブレイクアウトを用いてネットワークモデルをα‘モデルへ変更することで解決できます。
※ローカルブレイクアウト:通信機器で特定クラウドサービスなどの通信のみを直に接続できるようにする技術。

2.複雑に絡み合うアプリケーション
特に注意が必要なのが、各アプリケーション間の関係性が複雑である点です。
Microsoft 365の導入前に、それぞれのアプリケーションが複雑に絡み合っていることを理解する必要があります。ユーザーのID情報を管理できるEntra IDがTeamsやSharePointと複雑に関係しているため、情報漏洩防止のためにも日々の適切な運用が求められます。
ではどうしたらいいのでしょうか?
複雑に絡み合うアプリケーションを攻略!自治体におけるMicrosoft 365 運用課題の対策3選
安全かつ効率的にMicrosoft 365を活用していくためには、運用面での仕組みづくりが不可欠です。以下に、自治体でよく採用されている3つの運用対策方法をご紹介します。
1.IT担当者が全て管理・運用する
IT担当者がMicrosoft 365を勉強・理解して、運用業務を回すという従来のIT運用の方法です。しかし、自治体では定期的な異動があるため、新しい担当者が運用できるようになるまでにミスが起こるリスクが発生します。また、結果として運用が属人的に陥るリスクが存在します。
2.システム会社への運用委託
2つ目は、信頼できるシステム会社に運用を委託する方法です。この方法を取る場合、定期的な異動やさまざまな職種が存在する自治体において、自身の自治体で想定される問題点を事前に相談しておきましょう。また、運用を完全に委託してしまうと急な運用変更ができないケースもあるため、この点も事前に確認しておきましょう。
3.運用管理ツールを導入して、運用を自動化する
Microsoft 365を導入するタイミングで併せて運用管理ツールの検討を行い、導入することでMicrosoft 365運用業務を自動化し、IT担当は最低限の管理業務を行う方法。
この方法を導入することで、属人的な運用から脱却し、職員の異動に伴う業務停滞のリスクも最小限に抑えることが可能です。
この対策は効果的ですが、1つ注意点があります。
それは、Microsoft 365導入と同時に検討する必要があるということ。一度Microsoft 365を導入した後に別で運用管理ツールを調達しようとすると、既に業務が回っているという認識から調達ハードルが高くなりがちです。
AvePointのソリューション
AvePointでは、自治体DXの支援として、Microsoft 365の運用管理ソリューション「AvePoint Online Services」を提供しています。福井県、長崎県、沖縄県竹富町などの多くの自治体で導入実績があります。ホームページでも事例紹介をしておりますので、ぜひご覧ください。
自治体のMicrosoft 365活用事例はこちらから
目的に合わせて最適なライセンスと運用を検討しましょう
自治体ごとのDXで目指すべき姿や方針に合わせて、Microsoft 365ライセンスを検討しましょう。 行政DXを目的としたIT活用が必要な場合は、TeamsやSharePointが大きな味方になります。
しかし、ライセンス選定だけではなくネットワーク環境や導入後の運用管理を併せて検討することが必要となる点もおさえておきましょう。
Microsoft 365の導入および運用に関するご相談は、自治体支援の豊富な実績を持つAvePointにぜひお任せください。
詳細な解説資料はこちらからダウンロードいただけます。