オンラインストレージとは?ファイルを効率よく管理する方法と選び方を解説

オンラインストレージには、場所を問わずインターネット経由でファイルにアクセスできる、拠点の異なるメンバーとのファイル共有がスムーズになるなど、さまざまなメリットがあります。しかし、導入にあたっては容量や既存ツールとの連携可否の確認、セキュリティ関連の仕組みづくりなどが欠かせません。

本記事では、オンラインストレージの基本から選び方・運用のポイントまで解説します。

オンラインストレージとは?ファイルをオンラインで管理する仕組み

オンラインストレージ(クラウドストレージとも呼ばれます)とは、インターネット上にファイルを保存・管理できるサービスのことです。まずは基本的な仕組みから理解しておきましょう。以下では、データの保存先やアクセス方法、従来のファイル管理との違いについて解説します。

インターネット経由で保存先にアクセスできる

オンラインストレージでは、使用している端末そのものではなく、サービス事業者が管理するサーバー上にファイルが保存されます。そのため、サービスと契約してインターネットに接続できる環境を用意するだけで、すぐに利用を始められます。

基本的にはオフライン環境ではファイルにアクセスできませんが、サービスによってはオフライン中でも一時的にファイルを編集でき、オンラインに戻ると変更内容が自動的にサーバーへ反映される同期機能を備えているものもあります。

社内外のさまざまな端末から同じファイルを扱える

オンラインストレージの大きな利点は、特定の端末に縛られずにファイルへアクセスできる点です。

パソコン・スマートフォン・タブレットなど、手元にある機器から同じファイルを開いたり編集したりできます。個人に割り当てられた端末だけでなく、職場の共用パソコンからでもアクセス可能です。

また、端末が社外にあってもインターネット環境さえあればアクセスできるため、リモートワーク中や出張先からでもファイルの閲覧・編集を継続できます。特定の端末を持ち歩かなければ作業できないという制約から解放され、働く場所や状況を問わず柔軟に業務を進められます。

ローカル保存や社内サーバー中心の運用との違い

ローカル保存では各自の端末でファイルを管理するため、他のメンバーと情報を共有する際に手間が生じやすくなります。複数人で同じファイルを編集し合ううちに類似ファイルが増え、どれが最新版か分からなくなるといった問題も起こりがちです。

社内サーバーを使ったファイル共有も選択肢のひとつですが、機器の設置費用や継続的な保守・運用コストに加え、専門知識を持つ担当者の確保も必要になります。

こうした課題に対して、オンラインストレージは管理の手間を抑えながらファイルを一元管理できる手段として注目されています。

ファイル管理をオンライン化するメリット

ファイル管理をオンライン化すると、業務効率や情報セキュリティの面でさまざまなメリットが生まれます。保存場所の集約から、手間やコストの削減、チーム間の連携強化まで、主な利点を紹介します。

保存場所を集約しやすくなる

オンラインストレージを活用すると、ファイルの保存先をひとつの場所にまとめやすくなります。

個人の端末にデータを保管する運用では、「探しているファイルが誰の端末にあるか分からない」「最新版がどれか判別できない」といった状況が生まれがちです。また、担当者が退職した後も端末にデータが残り続け、管理の目が届かなくなるリスクもあります。

データの保存場所を集約することで、こうした管理上の問題を未然に防ぎやすくなります。

最新バージョンでサービスを利用できる

オンラインストレージはサービス事業者がメンテナンスを担うため、利用者は常に最新バージョンの環境でサービスを利用できます。バージョンが古い状態が続くと、処理能力の低下やセキュリティ上の脆弱性といったリスクが生じるため注意が必要です。

また、自社でサーバーを運用する場合、継続的な保守管理コストが発生しますが、オンラインストレージであればバージョンアップにかかる費用や手間も事業者側に委ねることができます。

拠点が異なるメンバーとも連携しやすい

オンラインストレージを使えば、本社・支社・在宅勤務・外出先など、場所を問わず同じデータをリアルタイムで共有できます。社内の部門間はもちろん、取引先や業務委託先とのファイルのやり取りもスムーズになります。

情報共有の手間が減ることで意思決定のスピードが上がり、業務の生産性向上につながります。さらに、最新データを全員が参照できる環境が整うことで判断の精度も高まり、組織としての競争力強化にも貢献します。

バックアップや復旧の負担を減らしやすい

バックアップにかかる手間やコストを大幅に削減できる点も、オンラインストレージの大きな強みです。

個人の端末でファイルを管理していると、紛失・盗難やウイルス感染といったリスクにさらされやすく、データの消失や情報漏洩につながる恐れがあります。

一方、オンラインストレージには自動バックアップ機能やバージョン管理機能が備わっているものが多く、複数のサーバーにデータが分散保管される仕組みを持つサービスも少なくありません。端末の状態に左右されずにデータを守れるため、万が一の故障や障害が発生した場合でも迅速な復旧が見込めます。

ファイルをオンラインで管理する方法

ファイルをオンラインで管理する方法は、オンラインストレージだけではありません。ここでは、代表的な 3 つの方法について、それぞれの特徴や違いを解説します。

オンラインストレージを利用する

オンラインストレージ(クラウドストレージ)は、個人・法人を問わず契約でき、無料から利用できるサービスもあります。契約する容量やプランの内容によって料金が異なるのが一般的です。

多くのサービスではデータの暗号化やアクセス制御といったセキュリティ対策が講じられており、導入しやすい点が特徴です。サーバーの構築や保守を事業者に任せられるため、初期コストや運用負担を抑えながらファイル管理を始められます。

社内ファイルサーバーをリモートで使う

社内に設置したファイルサーバーに、リモートでアクセスしてファイルを管理する方法もあります。

ファイルサーバーは基本的にローカルネットワーク内でしか利用できませんが、VPNなどの仕組みを導入することで社外からのアクセスも可能になります。ただし、サーバーの構築・保守・運用にかかる費用や専門人材の確保が必要になる点は、オンラインストレージと大きく異なります。

グループウェアの保存機能を活用する

グループウェアが備えるファイル保存機能を活用する方法もあります。

グループウェアとは、複数の拠点にまたがる組織が円滑に業務を進めるためのツールです。ファイル管理に加え、メール・チャットなどのコミュニケーション機能やスケジュール管理機能も同じツール内で使えるため、複数のサービスを使い分ける手間を省けます。

また、オンラインストレージと同様にサービス事業者がサーバーを管理するため、自社でサーバーを設置・運用するコストや手間を抑えられます。

導入前に確認したいポイント

オンラインストレージを選ぶ際は、自社の使い方に合っているか、抱えている課題を解決できるかを確認することが大切です。知名度や口コミだけで判断せず、詳細な機能をチェックしましょう。

また、外部共有にはセキュリティ上のリスクが伴うことを前提に、サービスを検討する必要があります。部署・部門単位で導入する場合は、組織全体のセキュリティポリシーに沿った運用ができるかどうかも、あわせて確認しておきましょう。

必要なファイル容量に対応できるか

導入前に、自社で取り扱うファイルの種類と容量をあらかじめ想定しておくことが重要です。ファイルの数だけでなく、写真・映像・図面データのようにサイズが大きくなりやすいファイルがどの程度あるかも確認しておく必要があります。

従業員1アカウントあたりで必要な容量を見積もったうえで全体の必要容量を算出し、各サービスのプランや料金と照らし合わせて検討しましょう。

権限設定や公開範囲を細かく調整できるか

社内全体・部門・社外など、アクセスできる範囲を柔軟に設定できるかどうかは、サービス選定における重要なポイントです。権限設定の自由度が低いサービスを選んでしまうと、思わぬ問題が生じる可能性があります。

例えば、部門ごとにアクセス権を分けて管理したかったにもかかわらず、導入したサービスでは全ユーザーに同一の権限しか付与できなければ、機密性の高いファイルが全従業員から閲覧できる状態になってしまいます。

自社の組織構成や事業内容、情報管理のルールに応じて細かく権限を調整できるサービスを選ぶことが、情報漏洩リスクの低減につながります。

業務で使うツールと連携しやすいか

Microsoft 365 や Google Workspace など、すでに社内で使っているツールとスムーズに連携できるかどうかも確認しておきたいポイントです。既存の業務フローに無理なく組み込めれば、ファイルの保存作業が効率化されるだけではなく、個人端末への保存が発生しにくくなり、保存漏れの防止にもつながります。

サービスによっては、ファイルがアップロードされた際の通知機能や、未閲覧者への自動フォローアップ機能を備えているものもあるため、自社の業務スタイルに合った機能を選ぶとよいでしょう。

管理者が運用しやすい設計になっているか

権限設定や利用者管理が直感的に行えるかどうかは、管理者の負担を大きく左右します。組織変更や人事異動が生じた際にアカウントや権限をスムーズに変更できるか、ログの確認や利用状況の把握が容易にできるかなどが、運用しやすい設計の判断基準となります。

設計がシンプルで、操作が分かりやすければよいというわけではありません。例えば、アクセス制御が緩く、リンクさえ知っていれば誰でもファイルを閲覧できるような設計では、情報漏洩やデータ損失のリスクが高まります。

管理のしやすさとセキュリティの両立を意識してサービスを選ぶことが大切です。

代表的なオンラインストレージサービス

代表的なオンラインストレージサービスを紹介します。各サービスにはそれぞれ異なる強みと注意点があるため、自社の使い方や環境に合っているかを確認したうえで選定しましょう。

Google Drive

Google Drive は、 Google が提供するオンラインストレージです。ブラウザ上での操作を中心とした直感的なインターフェースが特徴で、普段から Google Workspace を活用している組織にとって導入しやすいサービスといえるでしょう。

AIを活用したテキスト検索機能を備えており、画像ファイルの内容も検索対象にできます。 Microsoft 365 との連携にも対応しており、 1 ユーザーあたり 15 GB から 5TB までの範囲でプランを選択できます。

ただし、共有リンクの設定には注意が必要です。適切な権限管理を行わないと、意図せずデータが公開される可能性があります。また、Google独自形式のファイルは、他のアプリケーションとの互換性に制約がある点も理解しておきましょう。

OneDrive

OneDrive は、 Microsoft が提供するオンラインストレージです。 Windows のフォルダと自動的に同期される仕組みを持ち、 Microsoft 365 との親和性が高いため、 Windows ユーザーにとっては操作に慣れやすくスムーズに導入できます。 iPhone や Mac など Apple 製品にも対応しているため、利用端末を問わずに使える点も魅力です。

ただし、法人向けプランでは基本的に 1 ユーザーあたりの容量が 1 TB に限られており、さらに大きな容量が必要な場合は大企業向けのプランへの加入が求められます。また、フル機能を活用するには Microsoft 365 の契約が前提となっている点や、複数端末で同じファイルを編集した際に同期の競合が生じることがある点も理解しておきましょう。

Dropbox

Dropbox は Dropbox 社が提供するオンラインストレージです。 Google 系・ Microsoft 系のツールに加え、 Zoom ・ Notion ・ Asana ・ Salesforce など幅広い外部サービスとの連携に対応しており、既存の業務ツールと組み合わせて活用しやすい点が強みです。

プランによって異なりますが、 30 日間から最長 180 日間のバックアップを保持する機能を備えており、時間が経過してからデータの損失に気づいた場合でも復元できる可能性があります。法人向けプランではチーム全体で 15 TB からスタートし、最大 1,000 TB まで拡張できるほか、大企業向けプランでは容量のカスタマイズも可能です。

一方で、無料ユーザーへの共有は閲覧・ダウンロードのみに限られ、低価格プランではバックアップの保持期間が短い点は注意が必要です。

Box

Box は、 Box 社が提供する法人利用を前提として設計されたオンラインストレージです。容量無制限のプランを用意しており、サイズが大きくなりやすいファイルを多く扱う企業に向いています。セキュリティ面では、ランサムウェア対策や7段階のアクセス権設定など、企業の情報管理ニーズに応えるための機能が充実しています。

ただし、ファイルの共同編集には Google Docs や Microsoft 365 との連携が必要になり、共有設定の操作が複雑で手間がかかるという声もあります。また、容量無制限という利便性の反面、他サービスと比較して料金が高めに設定されている点も、導入前に確認しておくべきポイントです。

運用するときに押さえておきたい注意点

オンラインストレージを導入した後は、安全に使い続けるための運用ルールを整える必要があります。管理しやすい状態を保つために押さえておきたい注意点を紹介します。

外部共有の範囲を限定する

社外へのファイル共有は、必要な相手・必要な範囲に絞ることが基本です。公開リンクの扱いには特に注意が必要で、共有相手や有効期限を適切に設定する習慣を組織全体で徹底しましょう。設定の甘さは、思わぬ情報流出につながるケースがあります。

例えば、社内向けのつもりで「リンクを知っている人全員」が閲覧できる状態にしていたファイルのリンクを、従業員が取引先へそのままメールで転送してしまい、社外秘の情報が外部に漏れてしまったという事例があります。

また、プロジェクト終了後に共有リンクの有効期限を設定しないまま放置していたために、担当から外れた社員や退職者がその後もファイルにアクセスし続けられる状態が続いていたという事例もあります。

共有設定は「必要なときだけ必要な人に付与する」を原則としてください。

フォルダー構成や保存ルールを統一する

誰が見ても迷わないフォルダー構成を設計し、ファイル名の付け方や保存場所のルールを組織内で統一しましょう。ルールが曖昧なままでは、ファイルの重複や散在が生じ、管理効率が下がります。

また、セキュリティの観点からも、ファイルの保存期間や権限設定の基準をあらかじめ定めておくべきです。策定したルールは、説明会の開催やマニュアルの整備を通じて全員に周知し、形骸化しないよう定期的に見直す仕組みを持つと、安定した運用につながります。

不要になったアカウントや共有設定を残さない

退職者や異動者のアカウントを放置した状態は、セキュリティの観点から避けるべきです。アカウント管理がずさんな状態では、退職後もシステムへのアクセスが可能な状態が続き、意図せずデータが社外に持ち出されるといった事態を招くことがあります。

IPA では、人事異動・退職のたびにアカウント管理を行う運用を推奨しています。「アカウント棚卸しチェックリスト」の活用により、対象者のアカウントを一括停止する仕組みを取り入れることが有効です。

アクセス履歴を確認できるようにする

誰がいつ、どのファイルにアクセスしたかを把握できる体制を整えておくことも重要です。履歴を定期的に確認することで、不審な操作や誤った共有設定を早期に発見しやすくなり、万が一トラブルが発生した際も原因の特定を迅速に行えます。

特に、外部共有リンクの発行・大量ダウンロード・ログイン履歴・削除履歴などは重点的に確認すべき操作です。

また、アクセス状況の監視を組織内に周知しておくこと自体が、内部不正の抑止力としても機能します。

DenshoBako ならオンラインで安全にファイル管理ができる

オンラインストレージは手軽にファイルを共有できる一方で、外部共有時のセキュリティ管理には注意が必要です。特に Microsoft 365 環境では、社外とのファイル共有をより安全に行える専用ツールの活用が有効です。

DenshoBako は、Microsoft 365 と連携した社外向けファイル共有ツールです。容量制限がないため大容量ファイルも安心して共有でき、OneDrive や Teams のファイルを外部共有機能を使わずに直感的な操作で受け渡せます。誰がいつどのファイルにアクセスしたかを記録したログを無期限で保存できるため、情報管理の透明性を高めやすい点も強みです。

オンラインでのファイル共有・管理をより安全に、より効率的に実現したい方は、ぜひ DenshoBako の導入をご検討ください。

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