動画ファイルなど年間約7TB増えるSharePointデータを自動アーカイブ―Opus利用料込みで年間約260万円を削減 年2回の全社棚卸しも不要に 

株式会社ファイントゥデイ様

IT本部 BITA4部
並木 勇人 様
対象のサービス
Microsoft 365
企業規模
1,001~10,000名
対象の業界
生活用品
抱えている課題
Microsoft 365 の運用を自動化したい
製品・サービス
Opus
Cloud Backup for Microsoft 365

AvePoint OpusとAvePoint Cloud Backupで、容量最適化・データ保護・運用自動化を一体化 

株式会社ファイントゥデイは、株式会社資生堂から独立して2021年に事業を開始した後、約1年半でMicrosoft 365の自社環境への移行を完了しました。

次に直面した課題が、マーケティングで扱う画像・動画を中心に年間約7TB増え続けるSharePointデータと、保管コストの上昇への対応です。全社への棚卸し依頼やバージョン履歴の見直しだけでは増加を止められず、同社はAvePoint OpusとAvePoint Cloud Backup for Microsoft 365を導入。初回に約10TBをアーカイブし、Opus利用料を含めても年間約260万円のコスト削減を実現しました。

さらに、自動アーカイブによって年2回の全社棚卸し依頼を不要にしたほか、バックアップ体制の強化により、SharePointのゴミ箱に残っていないデータも復元できる安全な運用体制を整えています。 

  • 年間約7TBのデータ増加とライセンス単価上昇が重なり、SharePointの保管コストが継続的に増大 
  • Opusのシミュレーション機能で、ルール別のアーカイブ量と追加ストレージ回避額を可視化し、社内承認の根拠を具体化 
  • 初回に約10TBをアーカイブし、SharePoint側のデータ量を約38TBから約28TBへ。Opus利用料込みで年間約260万円を削減 
  • ユーザーに作業を求めない自動アーカイブと、新規SharePointサイトの自動バックアップにより、運用漏れと部門調整を低減 

独立後1年半でMicrosoft 365移行を完遂 次のテーマは運用の「品質」 

ファイントゥデイグループは、資生堂からパーソナルケア事業を引き継いで2021年に誕生しました。日本に加え、中国・APACへ事業を展開し、ヘアケア、スキンケア、ボディケアなどの「日用美品」(パーソナルケア製品)を提供しています。 

独立直後のIT部門にとって、最優先課題は資生堂の環境から自社環境へのMicrosoft 365の移行でした。日本だけでも初回のファイル移行量は約6TBという大規模な利用環境でしたが、段階的に移行を進め、海外拠点を含めて約1年半ですべての移行を完了しました。 

「まずはQCD(製造業で特に重視されるQuality=品質、Cost=コスト、Delivery=納期の3要素)でいう納期を優先し、移行を完了させました。その後、品質をきちんと上げていくフェーズに移りました。現在は、人の保守作業に時間がかかっている定型業務を効率化し、そこで生まれた時間を戦略的な『攻めのDX』に使おうとしています」(並木氏)

同社ではSharePoint、OneDrive、Teams、Exchangeを広く利用し、Power PlatformやAIの活用も進めています。一方で、移行プロジェクトの最中には着手が難しかったデータ量増加への対策とデータ保護(バックアップ)の強化が、運用品質を次の段階に引き上げるための重要なテーマとして浮上しました。 

データは年間約7TB増加 年2回の棚卸しでも十分に制御できず 

データ量増加の主因は、マーケティング部門などが扱う画像や動画です。一つひとつのファイルサイズが大きく、純粋なファイルデータだけで年間約7TBのペースで増加していました。

IT本部は年2回、全社に不要ファイルの棚卸しと削除を依頼していました。しかし、すぐに対応する部署がある一方、未着手の状態が続く部署もあり、取り組みの積極性には濃淡がありました。IT本部側も、単に棚卸しを依頼するだけでなく、PowerShellでスクリプトを作成して部門ごとの対象データを調査し、更新から一定期間経過したファイルがどれだけあるか、ストレージを圧迫する大容量ファイルがどこにあるかなどを提示して取り組みを支援していました。しかし、この工数が大きな負担になっていました。 

また、バージョン履歴が増え続けるポリシーも見直し、一定期間より前の履歴を削除しましたが、それでも全体容量が増え続ける状況は変わりませんでした。 

さらに、Microsoftとの契約更新に伴う単価上昇が見込まれているという事情もありました。データ量が増え続ける中でMicrosoft 365の利用コストも上がるという状況を踏まえ、ストレージコストを負担するIT本部は、契約更新までに打ち手を決める必要がありました。 

Opusの選定軸は「ファイル単位・自動化・セルフサービス復元」 

そこで同社は、現場に新たな作業を依頼せず、ポリシーに基づいて自動的にデータをアーカイブできる仕組みの導入を検討し、AvePoint Opusの採用を決めました。 

Opusを評価したポイントは以下のの5点です。 

  1. ファイル単位でアーカイブできること
  2. アーカイブを自動化できること
  3. 必要なときに管理者へ依頼せずユーザー自身でデータを復元できること
  4. アーカイブ後も検索できること
  5. コスト

さらにOpusの採用を後押ししたのが、レポートとシミュレーション機能でした。従来はPowerShellで各部門の棚卸し対象データを調査していましたが、これをOpusで分析し、「今後どの程度容量が増えるか」「どのルールなら何TBをアーカイブできるか」を可視化。

導入後の効果を事前に数値化できたことで、容量不足という現場の課題の解決策がもたらす投資対効果(ROI)を、具体的な根拠とともに経営層に提示できたといいます。 

4製品を比較しCloud Backupを選定 新しいサイトも自動で保護 

バックアップの強化については、他社製品を含む4製品を比較しました。主要なバックアップ機能に大きな差はないと見た中で、Opusと同じ管理基盤で運用できることを評価し、AvePoint Cloud Backupを採用しました。 

もう一つの決め手は、新しく作成されたSharePointサイトを自動でバックアップ対象にできる機能でした。同社では毎月新しいサイトが申請・追加されていますが、一般的なバックアップ製品ではサイトが新設されるたびにバックアップ対象に登録する必要があり、運用の手間や登録漏れのリスクが課題でした。AvePoint Cloud Backupは環境情報を同期し、新規サイトも自動で保護します。現在は、Teamsに紐づくSharePointを含め、SharePoint全体をバックアップしています。 

最初は緩いルールで開始 ログを見ながら段階的に最適化 

Opusの導入フェーズでは、アーカイブの技術的な設定よりも、社内ルールとの整合を図ることが課題となりました。同社の情報管理規程ではファイルの種類ごとに保持年限が定められており、システムによる「自動削除」まで一気に進めてしまうと、必要なデータまで誤って消去してしまうリスクがあったためです。 

そこで、まずは自動削除までは行わず、安全にデータを別の場所へ移す「アーカイブ」のみにとどめる運用からスタートしました。さらに、アーカイブの対象にする条件も、普段の業務に必要なファイルを意図せず動かして現場を混乱させないよう、「緩い条件」に設定。ユーザーの復元ログや問い合わせ状況を確認し、業務に支障が出ないことを確かめながら、段階的にアーカイブの対象を拡大していく現実的なステップを採用しました。 AvePointは初期設定だけでなく、複雑な社内規程をシステム上のポリシーにどう落とし込むかという「ルール設計」の段階から支援しました。

「システムインテグレーション費用が別途かかると思っていましたが、無償サポートの形で支援していただけたことは非常に心強かったです」(並木氏) 

初回約10TBをアーカイブ 年間約260万円の純削減 

定量的な効果として、同社はまずOpus導入時、SharePointから約10TBのデータをアーカイブしました。これにより、SharePoint上のデータ量を約38TBから約28TBへと削減しています。この初期効果にとどまらず、現在は毎月約400GBのデータを継続的にアーカイブしており、年間では約4TBのデータを自動的にアーカイブする見込みです。 

コスト面の効果も顕著です。Opusを導入しなければ2026年のSharePointストレージ費用は年間約900万円になる想定でしたが、これを約470万円に抑えることができ、Opusの利用料を差し引いても、年間約260万円のコストを削減できました。 

しかも、先述のとおり、これはアーカイブの条件が緩い中で得られている効果です。 

指標 対策なし/導入前 導入後 確認できた効果 
SharePoint側の容量 約38TB 約28TB 約10TB減 
初回アーカイブ量 – 約10TB 導入時に実施 
年間ストレージ費用 約900万円の想定 約470万円 約430万円抑制 
Opus利用料込みの純削減 – 年間約260万円 最も緩い条件での最低効果 
継続アーカイブ 年約7TB増加 年約4TB見込み 現行ルールで自動化 

金額・容量はいずれも取材時点の概算。年間約470万円はSharePointストレージ費用で、年間約260万円はOpus利用料を差し引いた純削減額。

「今後、条件を厳しくしてアーカイブ量を増やせば、削減額はさらに大きくなると考えています」(並木氏) 

年2回の全社棚卸しを不要に 導入後の問い合わせは0件 

IT本部と各部門の作業工数を削減できたことも大きな効果です。以前は、IT本部が削除対象を調査して依頼を準備し、各部門がファイルを確認して削除する必要がありました。現在は、ユーザーが意識しなくてもポリシーに沿って自動でアーカイブされるため、年2回の全社棚卸し依頼と、それに伴う関係者の作業が全て不要になりました。 

新しい仕組みを導入すると、ユーザーからの問い合わせ対応が新たな負担になることがあります。しかし、運用開始後約3か月の時点で、Opusに関する問い合わせは1件もありません。それでもアーカイブされたデータは実際に複数回復元されています。問い合わせがないけれども使われてもいないのではなく、必要なときにユーザー自身でデータを取り出し、業務を止めずに利用できていることをログでも確認できています。 

「依頼する側と対応する側、双方の作業がなくなったことは、会社全体にとって大きな効果だったと思います」(並木氏)

IT本部は削除を催促する役割から離れ、データに基づいて運用ルールを改善する仕事へ時間を振り向けられるようになりました。 

「復元不可」を減らす ゴミ箱の外にあるデータも復元 

Cloud Backupの導入前も、SharePoint 標準のゴミ箱機能による復元は可能でしたが、ゴミ箱からも完全に削除されたデータについては、ユーザーに「復元不可」と回答せざるを得ない限界がありました。 

しかし「AvePoint Cloud Backup」の導入により、現在はゴミ箱に残っていないファイルでも迅速に検索・復元できる体制を確立しています。多くの社員が利用するコラボレーション環境で、人為的な誤削除リスクを完全にゼロにすることは困難です。だからこそ、万が一の事態にも「確実にデータを復旧できる手段」を保有していることは、IT部門としての安心感だけでなく、社内に対する説明責任の担保につながっています。 

OpusとCloud Backupは一つの管理ポータルで確認でき、アーカイブとバックアップを分断せずに一元運用できます。ユーザー管理を含め、データの作成から保護、アーカイブ、復元までを同じ基盤で扱える体制が、同社のデータ管理・運用業務を大きく効率化しています。 

守りのDXを自動化し、「攻めのDX」へ時間を回す 

ファイントゥデイは今後、ユーザーの復元ログや問い合わせ状況を分析しながらアーカイブ条件を段階的に厳格化し、さらなるコスト削減効果を追求していく方針です。バックアップについても単にデータを保存するだけに留めず、有事の際にも迅速かつ確実に復旧できるよう、定期的な復元訓練の実施を検討しています。 
今回の取り組みは、同社が掲げる「守りのDX」を具体化するものです。移行後の運用を人手に委ねたままにせず、データの増加を可視化し、ポリシーで整理し、何かあれば戻せる状態をつくる。こうして定型的な保守作業を減らすことが、AI活用をはじめとする「攻めのDX」へ人と時間を振り向ける土台になります。 
並木氏は、AvePointへの今後の期待を次のように語ります。 

「Microsoft 365は非常に多機能で、同じことを複数の方法で実現できるため、『結局どれを使えばよいのか』『どこを設定すればよいのか』が分かりにくい側面があります。AvePointには、標準機能だけでも『できなくはない』けれども運用する側が『もう少しこうあってほしい』と感じる部分を、これからも補完し続けてほしいですね」